WeChatペイとアリペイ、海外クレジットカードとの連携が可能に

(中国)

武漢発

2023年07月27日

中国のメッセンジャーアプリ「WeChat(微信)」は7月20日、同アプリ内のQRコード決済機能「WeChatペイ」が、海外クレジットカード(以下、カード)連携できるようアップデートされたことを発表した(注1)。これにより、海外ユーザーはショッピングや飲食、交通、旅行など、中国滞在中の多くの場面でキャッシュレス決済が利用可能になった。

WeChatペイで連携可能となったクレジットカードはVISA、ダイナースクラブ、ディスカバー、JCB、マスターカードの5種類。利用に当たってはカード情報のほかに、パスポートなどの身分証情報の登録が必要だ。また、中国国内の携帯電話番号がなくても、SMSが受領できる電話番号があれば登録は可能。

なお、決済額には上限があり、1度の決済で6,000元(約12万円、1元=約20円)、1カ月で累計5万元、1年で累計6万元が上限として定められている。外貨の対元レートは、カード会社やカードを発行する銀行のレートなどによって決定される。また、200元を超える決済を行う場合は、決済額の3%が手数料として徴収される。

7月21日には、中国のオンライン決済アプリ「アリペイ(支付宝)」もカードと連携できるようアップデートしたことを発表した(注2)。アリペイが連携可能なカードは、VISA、ダイナースクラブ、ディスカバー、マスターカードの4種類。同社の5月25日の発表によると、1度の決済の上限額は3,000元となっているが、それ以外の上限額やレート、手数料などに係る規定はWeChatペイと同様となっている。

中国では近年、急激にキャッシュレス決済が普及したため、現金を使用する機会が激減し、現金支払いに対応していない店舗も増えた。そのため、現金とカード以外の決済手段を持たない海外からの出張者や新規赴任者などが、中国国内で移動や買い物を行う際に困難が生じるケースが発生していた。今回のアップデートにより、今後、こうしたケースが減少していくことが期待される。

(注1)具体的な連携方法はWeChatペイの公式アカウントのページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照。英語と中国語の2言語で表記されている。

(注2)具体的な連携方法はアリペイの公式パブリックアカウントのページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照。英語と中国語の2言語で表記されている。

(楢橋広基)

(中国)

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