中銀、政策金利を7.5%に維持、今後の引き上げの可能性も発表

(ロシア)

欧州課

2023年06月14日

ロシア中央銀行は6月9日に行われた理事会で、主要政策金利(キーレート)を7.5%に据え置いた(添付資料図参照)。

エリビラ・ナビウリナ総裁は6月9日の記者会見の中で据え置きについて、利上げも検討したが、金利を維持しながら引き締めの示唆をすることで決定したと説明した。中銀は、家計や企業のインフレ期待が高い水準にあり、物価上昇圧力が高まっているとした。また、国内の経済活動が4月時点の予想より早く回復しており需要が増加していることや、財政支出の増加、交易条件の悪化(注)、労働市場の人手不足がインフレ上振れリスク要因だと指摘した。

ナビウリナ総裁は、国内の物価上昇率は12カ月間にわたり減速していたが、現在は年率で4%に近付いていると指摘した。インフレ圧力が徐々に高まっていることを踏まえ、2024年以降のインフレ率を4%程度で安定させるため、今後の理事会で金利を引き上げる可能性があると述べた。次の理事会は2023年7月21日に予定されている。

中銀は、2023年のインフレ率は4.5~6.5%、2024年は目標の4%となると予測している。

(注)交易条件=輸出物価指数/輸入物価指数。交易条件の悪化は輸出価格に比して輸入価格の上昇を意味し、海外への支払いが増えるため、通貨安や輸入コストが増加する要因となる。

(小野塚信)

(ロシア)

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