ブルガリア、首相が9カ月で交代することを条件に組閣

(ブルガリア)

ブカレスト発

2023年06月20日

2023年4月の国民議会選挙後、暫定内閣が続いていたブルガリアで6月6日、正式な内閣が発足した(2023年4月11日記事参照)。国民議会選挙で第2党となった変革党・DB連合(PP・DB、注1)所属のニコライ・デンコフ氏が首相に就任した。9カ月後に第1党のGERB・UDF(注2)所属のマリヤ・ガブリエル氏に交代し、これを9カ月ごとに繰り返すローテーション制の内閣となる。ニコライ・デンコフ首相は、物理化学博士で欧州宇宙機関(ESA)の物理科学専門家グループの一員。これまで、日本の新技術開発事業団(JRDC)の客員研究員、ローヌ・プーラン研究所(フランス)の主任研究員、ユニリーバ研究所(米国)の主任研究員などを歴任した。

GERB・UDF所属のマリヤ・ガブリエル氏は、5月15日に欧州委員(イノベーション・青少年担当)を辞任し(2023年5月17日記事参照)、今回の組閣で唯一の副首相に就任し、外相を兼務する。同氏は2009年、2014年、2019年の3回、欧州議会議員に選出され、2017年7月から2019年11月まで欧州委員(デジタル経済社会担当)を務めた。

閣僚19ポストのうち、ガブリエル副首相兼外相と変革党(PP)の共同議長であるアッセン・バシレフ財務相を除くと、全員がテクノクラートだ。経済産業相には、ボグダン・ボグダノフ前ブルガリア投資庁(IBA)長官が就任した。

(注1)「変革を継続する(変革党)」と「民主主義的ブルガリア(DB)」の連合。PP・DBとも表記。

(注2)「ブルガリアの欧州における発展のための市民(GERB)」と民主勢力同盟(UDF)の連合。

(ブラディミール・カネフ、西澤成世)

(ブルガリア)

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