パラグアイ大統領選挙で右派候補が勝利、台湾との国交を継続へ

(パラグアイ、台湾)

米州課

2023年05月10日

パラグアイで4月30日に大統領選挙が行われ、右派で与党コロラド党候補のサンティアゴ・ペニャ氏が勝利した。パラグアイ選挙管理当局によると、ペニャ氏の得票率は42.74%。野党連合から立候補したエフライン・アレグレ氏は得票率27.48%で、ペニャ氏が15ポイント以上の差をつけて勝利した。

アレグレ氏は選挙活動期間中、選挙に勝利した暁には台湾との国交を断絶し、中国と国交を結ぶと度々表明しており、選挙結果の行方に注目が集まっていた。パラグアイは、南米諸国で唯一、台湾との国交を有する。近年では、2017年3月にパナマが(2018年6月19日記事参照)、2018年8月にエルサルバドルが(2018年8月22日記事参照)、2023年3月にはホンジュラスが台湾との国交を断絶(2023年3月27日記事参照)。現在、台湾と外交関係を有する国は13カ国で、そのうちパラグアイは、グアテマラに次いで経済規模が大きい(注)。

ペニャ氏は、1978年生まれの44歳。パラグアイのカトリカ大学で経済学を学んだ後、米国のコロンビア大学で経済学修士号を取得した。パラグアイ中央銀行やIMFでエコノミストを歴任し、2015年から2017年まで財務相を務めた。ペニャ氏は自身の公式ウェブサイトで、飢餓の撲滅、子供の就学向上、住宅の提供に加えて、経済活性化の目的でガス価格の引き下げや、新たに50万人の雇用を創出することなどを挙げている。ペニャ氏の大統領就任は8月15日、任期は5年。

日本の林芳正外相は5月5日にペニャ氏を表敬し、2国間のさらなる関係強化を確認した。両者は面談の中で、ロシアによるウクライナ侵攻や国際情勢についても意見交換を行い、さらなる連携を行うことも確認した。

(注)世界銀行によると、グアテマラの2021年のGDP総額は860億ドル、パラグアイのGDP総額は395億ドル。

(辻本希世)

(パラグアイ、台湾)

ビジネス短信 cf2ad360eccc9a76