総選挙で新政権樹立ならず、6月に再選挙実施へ

(ギリシャ)

ミラノ発

2023年05月31日

ギリシャで5月21日に議会総選挙(一院制、定数300)が実施された(2023年4月28日記事参照)。有権者数が994万6,082人、投票率は60.9%に達し、前回2019年7月の総選挙時の57.8%から3.1ポイント上昇した。選挙結果は、新民主主義(ND)が得票率40.8%(前回39.9%)で146議席を獲得し、先に行われた世論調査の結果に反して、圧勝する結果となった。続いて急進左派連合(SYRIZA)が得票率20.1%(前回31.5%)で2位、全ギリシャ社会主義運動 ・変化のための運動(PASOK-KINIMA ALLAGIS)が得票率11.5%(前回8.1%)で3位となった。

現行選挙法の単純比例代表制によって、選挙で最低得票率3%を獲得した5政党が議会入りした(添付資料表参照)。

ただ、議会定数の過半数151議席を獲得した政党がなかったため、選挙翌日の5月22日、カテリナ・サケラロプル大統領は憲法第37条に基づき、上位3政党のNDのキリアコス・ミツォタキス党首、SYRIZAのアレクシス・ツィプラス党首、PASOK-KINIMA ALLAGISのニコス・アンドゥルラキス党首とそれぞれ新政権樹立について会談を行った。しかし、各党首とも具体的な合意ができず、6月25日に再選挙が実施されることが現実的となった。

再選挙は2020年1月にNDが議会で可決した新選挙法の下で実施されることになっており、有効投票数の25%以上を獲得した第1党には、20議席が自動的にボーナス議席として配分される。さらに、25%から0.5ポイント増加するごとに1議席が加算される仕組みで、第1党は最大で50議席のボーナス議席の取得が可能となっている。

(井上友里)

(ギリシャ)

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