2022年版家計生活水準調査結果を公表、所得上昇で食生活に変化

(ベトナム)

ホーチミン発

2023年05月19日

ベトナム統計総局は5月4日、2022年版家計生活水準調査報告書を発表した。同調査は、ベトナムの生活水準の変化の継続的な把握を目的に、2002年から行われており、報告書はこれまで隔年で公開されている。2022年の調査は、全国4万6,995世帯を対象に行われ、収入、支出、人口統計、教育、健康、雇用、住居、耐久財、衛生など幅広い項目のデータを収集している。

同報告書によると、上記項目のうち、2022年の1人当たりの月間平均所得については、2020年比で425万ドン(約2万4,225円、1ドン=約0.0057円)から467万ドンになり、2年間で約1割に当たる42万ドン増加した(添付資料表1参照)。

省・市別にみると、上位3省・市はビンズオン省808万ドン、首都ハノイ市642万ドン、商都ホーチミン市640万ドンで、今回の調査ではじめてハノイ市がホーチミン市を上回った。

都市部と農村部の内訳をみると、都市部は595万ドンで、2012年の約2.0倍。農村部は386万ドンで、2012年の約2.4倍となった。農村部の伸びが大きいが、都市部と農村部との間には依然として格差(約1.5倍)が存在する。また、所得階層別(注)で高所得層(グループ5)と低所得層(グループ1)を比較すると、2012年では9倍以上の開きがあったが、2022年では約7.6倍に縮小した。

所得の上昇は、ベトナム人の食生活に変化をもたらしている(添付資料表2参照)。2012年比でコメの1人当たり月間消費量が9.6キログラム(kg)から6.9kgに、野菜が2.1kgから1.9kgに減った。一方、肉の消費量は1.8kgから2.6kgに、卵が3.6kgから5.1kgに増えた。酒・ビールは、0.9リットルから1.2リットルに増加した。

(注)下位20%の低所得階層をグループ1として、その後、20%ごとにグループ2からグループ5まで区分したもの。

(児玉良平)

(ベトナム)

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