米西海岸港湾労使交渉に進展、近く合意に達する見込みと共同発表

(米国)

ロサンゼルス発

2023年02月27日

米国の太平洋海事協会(PMA)と国際港湾倉庫労働者組合(ILWU)は2月23日、労働協約の締結に向けて労使交渉を継続しており、「近く合意に達する見込み」との共同声明を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

米国西海岸の港湾では、使用者側のPMAと労働者側のILWUが2022年5月10日から労使交渉が開始された。労働条件などを定めた労働協約は7月1日に失効したが、それ以降も労使双方は通常業務を継続しつつ、引き続き交渉を行っていた。7月26日には、医療給付に関する暫定合意に達したと発表されたが(2022年7月27日記事参照)、それ以降はシアトル港ターミナルの管轄権を巡って対立し、労使交渉は停滞していた(2022年10月25日付地域・分析レポート参照)。

ただし、ロサンゼルス港湾局のジーン・セロカ局長が先週、2023年春には両者の協議に「真の進展」がみられると述べていた(「サプライチェーン・ダイブ」誌電子版2月23日)。

米国主要港におけるコンテナの取り扱いについては、西海岸から東海岸へのシフトが鮮明になっている。2022年のコンテナ取扱量は、ロサンゼルス港が最多の990万TEU(20フィートコンテナ換算、前年比7.2%減)を記録したが、ニューヨーク・ニュージャージー港(949万TEU、5.7%増)がロングビーチ港(913万TEU、2.7%減)を抜き、全米2位となった(2023年2月9日記事参照)。西海岸港湾の労使交渉を行方の不透明感がその背景にあると指摘されており、こうした動向を受け、労使双方は態度を軟化させているとみられる。

(永田光)

(米国)

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