2022年の自動車生産台数は前年比9.8%減、半導体不足などが影響

(英国)

ロンドン発

2023年02月03日

英国自動車製造販売者協会(SMMT)は126日、2022年の国内自動車生産台数を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。総生産台数は前年比9.8%減の775,014台で(添付資料表1参照)、新型コロナウイルス感染拡大前の2019年比で40.5%減となった。SMMTは、生産の減少は世界的な半導体不足や、量産拠点の閉鎖を反映した大きな構造変化、中国の長期ロックダウンが及ぼしたサプライチェーンの問題によるものとみている。

一方で、バッテリー式電気自動車(BEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、ハイブリッド車(HEV)の生産台数は234,006台で過去最高となり、総生産台数の30.2%を占めた。また、BEVPHEVHEVの総輸出額は2017年の約13億ポンド(現時点で約2,067億円、1ポンド=約159)から100億ポンド超と7倍に増えている。2022年の英国の自動車輸出額全体に占める電動車の割合は44.7%だった。

メーカー別の生産台数では、前年2位だった日産が238,329台で1位に、トヨタが前年と同じく4位だった(添付資料表2参照)。ホンダは、2021年にスウィンドン工場での生産を終了したため、2022年の生産台数は0台となった。

英国国内市場向け生産台数は前年比9.4%増の168,176台だったが、輸出向けは14.0%減の606,838台。英国の最大の輸出先はシェア57.6%のEUで、前年比10.0%減の349,424台だった。米国への輸出は前年比31.6%減、中国は8.3%減。一方、日本へは5.7%増、韓国へは32.8%増、オーストラリアへは4.7%増、スイスへは2.7%増、南アフリカ共和国へは23%増だった。2021年には上位市場のロシアへの輸出は、ウクライナへの侵略前の輸出を含め、前年比78.3%減となった。

SMMTのマイク・ホーズ会長は、統計は英国自動車産業にとって2022年がどれほど厳しい1年だったかを反映しているという。しかし、ゼロエミッション車をより多く製造することによって経済成長を実現できる可能性は自明で、そのためには今後、英国の自動車産業の基礎的な強みである労働力、技術、イノベーション、生産性を生かして、バッテリー生産の急速な拡大やEVへの移行促進のための戦略が必要とした。

(レイナー・あや)

(英国)

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