Kaicomとワタミが合弁会社設立、日本への人材サービス事業を強化

(バングラデシュ、日本)

ダッカ発

2023年02月03日

日本とバングラデシュの両国でIT事業やコンサルティング事業、バングラデシュ人材への日本語教育などを手掛けるカイコムグループ(Kaicom Group)は1月26日、日本や海外で外食事業や人材サービス事業などを手掛けるワタミ(注)との合弁契約を締結した。同日にはこの契約による新会社「カイコム・ドリーム・ストリートBD(Kaicom Dream Street BD Co.Ltd)」の設立セレモニーをダッカ市内で開催した。

同社は、バングラデシュから日本への技能実習生や特定技能実習生の送り出しに加え、受け入れ先のニーズに応じた事前研修、日本への入国後の実習生のアフターケアなど、送り出し前後の強固なフォロー体制構築を目的に設立された。設立セレモニーには、2023年中に同社から日本へ送り出し予定の7人の技能実習生に加え、岩間公典駐バングラデシュ大使やワタミ代表取締役会長兼社長の渡邉美樹氏、バングラデシュ海外居住者福利厚生・海外雇用省(MoeMOE)次官補のアブドュル・カデル氏、同省傘下の国営企業の海外雇用サービス公社(BOESL)マネジングディレクターのモリック・アノワール・ホセイン氏らが出席した。

岩間大使は「日本とバングラデシュは2022年に国交樹立50周年を迎え(2022年11月21日記事参照)、2023年は次の50年に向けたスタートの年となる。両国間では、バングラデシュからの人材支援と、日本による経済協力により、相互に協力関係を深めることが期待できる。日本では2022年からより高度な特定技能を持つ外国人材の受け入れを開始した。この合弁事業が両国のウィンウィン関係の構築に寄与することを期待している」と述べた。

なお、日本でのバングラデシュ人特定技能と技能実習生は215人と、全体(32万5,789人)の0.07%にとどまり、近隣のネパール人(1,058人)との比較でも少ない状況にある(2021年12月末時点)。カイコムグループのダス・アンジャン最高経営責任者(CEO)はジェトロのインタビューに対し、「この事業ではバングラデシュ人材への事前研修とアフターフォローに注力しつつ、日本の人材不足の課題に貢献したい。バングラデシュ人材に日本の素晴らしさを実感してもらい、彼らの日本での活躍を後押しすることで、将来的には両国間の人材交流の発展にまでつなげていきたい」との意気込みを語った(1月30日)。

写真 合弁契約締結セレモニー、中央がダス・アンジャンCEO(ジェトロ撮影)

合弁契約締結セレモニー、中央がダス・アンジャンCEO(ジェトロ撮影)

(注)同社はバングラデシュで2013年から日本式の教育機関(Narayankul Dream Model School & College)を運営。これまでに1,500人の卒業生を輩出している。

(山田和則)

(バングラデシュ、日本)

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