新型コロナ防疫の新措置、多くの施設でPCR陰性証明などの確認が不要に

(中国)

北京発

2022年12月08日

中国国務院の共同防疫メカニズムは12月7日、「新型コロナウイルス感染拡大防止抑制措置実施の一段の最適化に関する通知外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表した。

通知は、現在の新型コロナ感染拡大やウイルス変異の状況に基づき、より科学的で精密な防疫対応を行い、防疫の取り組みでの顕著な問題を的確に解決するため、防疫措置実施の一段の最適化について定めたものとなる。

リスクエリアについては、建物の棟やフロア、住居単位で高リスクエリアを指定し、むやみに範囲を小区(マンションや団地の敷地全体)や社区(コミュニティー)、街道などに拡大してはならないとしたほか、各種の臨時封鎖も行ってはならないと明示した。また、高リスクエリアは「迅速に封鎖し、迅速に解除する」という方針を取り、5日間連続で新規感染者が出ない高リスクエリアはすみやかに指定解除すべきと規定した(注1)。

PCR検査に関しては、範囲を一段と縮小し、頻度も減少させるとした。高リスクな職業の従事者(注2)や高リスクエリアの人は引き続き検査を行う一方、それ以外の人は希望する場合に検査を行うとした。高齢者施設や福祉施設、医療機関、託児所、幼稚園、小中学校、高校などの施設以外では、PCR検査陰性証明の提示や健康コードの確認を求めないとした。地域を越えて移動する人員に対しても、今後はPCR検査陰性証明や健康コードの確認を行わず、到着地でのPCR検査も実施しないとした。

隔離方法についても最適化するとした。無症状感染者や軽症者は、自宅隔離の条件を備えている場合は原則として自宅隔離とし、自主的に集中隔離を選ぶこともできるとした。隔離6日目と7日目に2日連続でPCR検査を行い、Ct値が35以上であれば隔離を解除するとした。濃厚接触者についても、自宅隔離の条件を備えている場合は5日間の自宅隔離とし、自主的に集中隔離を選択することもできる。濃厚接触者は5日目のPCR検査が陰性であれば隔離が解除される。

このほか、社会の正常な運営や基礎的な医療サービスを保障するため、高リスクエリア以外では、人の移動の制限や操業・生産・営業停止を行ってはならないとした。

学校の防疫対策についても最適化を図る。感染拡大がない学校では通常のオフライン授業を行い、感染拡大がある学校でもリスクエリアの指定を精密に行い、同エリア以外では通常の授業や生活などを保障するよう求めた。

(注1)「通知」と併せて公表した解説によると、各地方は新型コロナ防疫対応で、社区の感染リスクがない状況ならば、高リスクエリアを指定しなくともよいとしている。

(注2)解説によると、入境に関わる人や物や環境に接触する人、集中隔離施設の勤務者、指定医療機関や一般医療機関の発熱外来に勤務する医療関係者、商店やスーパーマーケット、宅配、デリバリーなど、勤務環境の人口密度が高く、人との接触が多く、流動性が高い高リスクの職業従事者を対象としている。

(小宮昇平)

(中国)

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