米エアープロダクツとAES、テキサス州に米国内最大級のグリーン水素製造施設建設へ

(米国)

ヒューストン発

2022年12月09日

米国のガス大手エアープロダクツ・アンド・ケミカルズ(本社:ペンシルベニア州アレンタウン)は12月8日、グリーン水素(注)の製造施設建設プロジェクト開発を行う米国AES(本社:バージニア州アーリントン)と、テキサス州ウィルバーガーに米国内で最大級のグリーン水素製造施設を建設すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

施設には、グリーン水素製造用に約1.4ギガワット(GW)の風力および太陽光発電設備や、日量200トンのグリーン水素を製造可能な電解槽が設置される予定だ。建設費用は約40億ドルで、2027年の稼働を計画している。エアープロダクツによれば、仮に同施設で製造予定のグリーン水素全てを大型トラックの燃料として使用した場合には、約50億ガロン(約189億リットル)のディーゼル燃料を燃焼させた場合の二酸化炭素(CO2)排出量に相当する、年間160万トン以上のCO2の排出削減が可能になるとしている。

今回の発表を受けて、米国テキサス州のグレッグ・アボット知事(共和党)は「エアープロダクツとAESによるこの画期的な施設建設の発表により、テキサス州は米国のエネルギー生産におけるリーダーシップを拡大し、今後数十年にわたる米国のエネルギー需要の充足に貢献することになる」と述べた。

なお、エアープロダクツは、2022年10月にもニューヨーク州マシーナに5億ドル規模のグリーン水素製造施設を建造すると発表している(2022年10月11日記事参照)。

(注)水素はその製造方法によって、(1)化石燃料を燃焼させたガスを改質することで製造する「グレー水素」、(2)グレー水素製造工程で排出された二酸化炭素(CO2)を回収し貯留または利用(CCS、CCUS)することでCO2排出を抑える「ブルー水素」、(3)再生可能エネルギーを利用して水を電気分解することで製造し、製造工程でCO2を発生させない「グリーン水素」などに分かれる。

(沖本憲司)

(米国)

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