チリとペルーの首脳会談、移民問題や治安維持など協力関係強化で一致

(チリ、ペルー、メキシコ、コロンビア、太平洋同盟)

サンティアゴ発

2022年12月02日

チリのガブリエル・ボリッチ大統領とペルーのペドロ・カスティージョ大統領は11月29日、チリの首都サンティアゴで首脳会談を実施した。カスティージョ大統領のチリ訪問は、2022年3月のボリッチ大統領就任式以来2度目。会談後、両大統領はチリとペルーの共通の課題について、両国民の利益に向けてハイレベルの調整と意思決定を促進するとし、サンティアゴ宣言に署名した。

共同宣言について、ボリッチ大統領は、社会・文化面での協力・交流促進、治安維持・犯罪との闘い、貿易・投資・観光・科学技術面での協力、エネルギーと鉱業分野における環境への配慮と持続可能な開発、国境施設の出入国管理システムの統合とインフラ整備の5つのコミットメントを確立し、2国間の協力を促進していくことを明らかにした。国境に関しては、チリとペルーをつなぐチャカユタ-サンタ・ロサ国境について、簡素化された入国管理システムの構築と、24時間運営を行うことの重要性を強調した。また、両国政府の優先事項となっている治安維持や特に移民の密輸、麻薬密売などの組織犯罪との闘いについては、両国警察機関が協力関係を強化していくことで一致したと発表した。加えて、ボリッチ大統領は優先事項として、ペルー第2の都市アレキパに置いているチリ名誉領事館にキャリア公務員を派遣して領事館とすることも強調した。

さらに、両大統領はメキシコでの開催が中止された第17回太平洋同盟首脳会談について(2022年11月24日記事参照)、メキシコとコロンビアの両首脳と日程を調整した上で、開催地をペルーに変更して迅速に実現する意向を強調した。ペルー外務省は11月30日付のツイッターで、同首脳会談が12月14日にペルーで開催されると決定したと発表している(2022年12月1日記事参照)。

(岡戸美澪)

(チリ、ペルー、メキシコ、コロンビア、太平洋同盟)

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