米環境保護庁、2023~2025年の再生可能燃料混合基準案を公表、対象クレジットにEV用電力の生成追加

(米国)

ニューヨーク発

2022年12月02日

米国環境保護庁(EPA)は12月1日、再生可能燃料混合基準制度(RFS)について、2023~2025年の混合基準量案を公表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

大気浄化法に基づいて2006年から導入したRFSは、製油業者に対し、ガソリンまたはディーゼル燃料にエタノールなどバイオ燃料の一定量の混合を義務付けており、製油業者は自身に割り当てられた混合量を達成するか、達成できない場合などは再生可能識別番号(RIN)と呼ばれる市場で取引可能なクレジットの購入を求められる。

2022年末までの基準量は6月に決定され(2022年6月7日記事参照)、2022年のバイオ燃料の混合総量は206億3,000万ガロン(1ガロン=約3.8リットル)となっている。他方、今回の基準案を通じて、2023年は208億2,000万ガロン、2024年218億7,000万ガロン、2025年226億8,000万ガロンとすることが提案されている。また今回、電気自動車(EV)がバイオ燃料由来の電力を使って充電されることで、自動車メーカーがeRINと呼ばれるクレジットを生成できるようにすることが提案されている。もしこれが実現すれば、自動車メーカーはRFSやRIN市場に参入し、生成したクレジットを他社に売却できるようになる。

EPAによると、今回の提案が実現すると、2023~2025年の石油輸入量は年間16~18万バレル減少し、毎年2億~2億2,300万ドル節約可能となる。EPAは、パブリックコメント募集を目的に、オンライン説明会を2023年1月10日に開催する予定で、出席希望者は1月3日までに事前登録を行う必要がある(詳細は開催通知PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)参照)。複数のメディアは、今回の提案が2023年半ばに最終決定される見通しと報じている。

なお、2022年までの基準量が決定された6月には、当初の提案に大きな変更が加えられたことから、今回も最終決定時には変更される可能性がある点に留意が必要だ。

(宮野慶太)

(米国)

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