インドネシア、IPEFの4つの柱全ての交渉に参加

(インドネシア、米国)

ジャカルタ発

2022年09月13日

米国が主導するインド太平洋経済枠組み(IPEF)の閣僚級会合が9月8~9日にロサンゼルスで開催され(2022年9月12日記事参照)、インドネシアからはアイルランガ・ハルタルト経済担当調整相らが出席した(経済担当調整省プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。同相は「IPEFは、インド太平洋地域におけるバランスの均衡や繁栄、正義の発展など、全ての国が実現しなければならない現状に対応するものだ」とコメントした(「アンタラ」9月9日)。

IPEFは(1)貿易、(2)サプライチェーン、(3)クリーン経済、(4)公正な経済の4つの柱から構成されるが、インドネシアは4分野とも交渉に参加する。アイルランガ経済担当調整相は「インドネシア政府は、公正さ、包括性、透明性、説明責任という価値を重視している」とした上で、「公正な経済の達成を加速するため、貿易・投資分野における税制や汚職防止メカニズムなどの議論を継続して行う必要がある」と指摘した。クリーン経済に関して、同相は「インドネシア政府は公的および民間資金を動員し、持続可能な開発のための資金とする」とコメントした。

アイルランガ経済担当調整相は、米国のジーナ・レモンド商務長官と個別に面談を行い、IPEFの4つの柱につき、実務レベルでフォローアップすることで合意した(経済担当調整省プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。インドネシア投資省によると、2022年第2四半期(4~6月)の外資系企業による直接投資実績額は113億7,030万ドルだが、うち米国は7億7,410万ドルで、金額ベースではシンガポール、中国、香港、日本に次ぎ5番目となっている(2022年8月8日記事参照)。レモンド長官は「インドネシアはIPEFの全ての会合で積極的な役割を果たす必要がある」とした上で、「インドネシアが米国との投資・貿易を増加させる非常に良い機会だ」とコメントした。

インドネシア経済法律研究センター(CELIOS)のビマ・ユディスティラ所長は、IPEFがインドネシアの戦略的な政策に資金を提供しうるとした上で、「IPEFは、インフラ資金調達面で優位に立っている中国に対抗しうる存在となる」と指摘した(「コーラン・ジャカルタ」9月10日)。

(上野渉)

(インドネシア、米国)

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