東方経済フォーラム、ビジネス成果は前年より減少

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2022年09月12日

ロシアで9月5~8日、ウラジオストクにおいて東方経済フォーラムが開催された。主催者の発表(9月9日)によると、フォーラム期間中、投資に関する合意書など296件、総事業規模3兆2,720億ルーブル(7兆8,528億円、1ルーブル=約2.4円)に上るビジネス関連文書が締結された。前回(2021年9月14日記事参照)に比べると84件少なく、事業規模も約3,000億ルーブル減少した。

サハ共和国(ヤクーチヤ)政府、極東・北極圏発展省、天然資源環境省、原子力公社ロスアトムが同共和国の鉱山開発について合意書を締結したほか、カムチャツカ地方、ブリヤート共和国、マガダン州各政府と極東・北極圏発展公社、開発金融機関のVEB.RFがペトロパブロフスク・カムチャツキー、ウラン・ウデ、マガダンの都市計画マスタープラン作成に関する協力文書に署名した。外国関連として、フォーラム運営組織であるロスコングレスの下に国際ビジネス支援を目的として設立された国際共同イニシアチブ・センターが、ロ中ビジネス評議会、中国建築、北京市および海南省の国際貿易促進委員会などとそれぞれ協力文書を締結した。

7日の全体会合にはウラジーミル・プーチン大統領のほか、ミャンマーのミンアウンライン国軍司令官兼国家統治評議会議長、アルメニアのニコラ・パシニャン首相、モンゴルのロブサンナムスライ・オヨーンエルデネ首相の3人の外国首脳と、中国の栗戦書・全国人民代表大会常務委員長が出席した。また、インドのナレンドラ・モディ首相、マレーシアのイスマイル・サブリ首相、ベトナムのファム・ミン・チン首相がビデオメッセージを寄せた。

全体会合の中でプーチン大統領は、アジア太平洋諸国の多くが対ロ制裁に加担しなかったことに触れたうえで、「ロシア極東はアジア太平洋諸国と共に発展していく」と述べた。世界的に天然資源や原料の確保が重要になる中、「ロシアは唯一自給自足している」と強調し、国内外への供給源としてロシア極東の役割は極めて大きいと評価した。同時に、レアメタルの採掘・加工にも力を入れるべきと訴えた。

今回はロシア含め68カ国・地域から7,000人の企業・報道関係者らが出席した。新型コロナ禍後、2年ぶりの開催となった前年と比べ10カ国・地域、3,000人増加した。

(浅元薫哉)

(ロシア)

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