メルコスール対外共通関税を10％引き下げる国内法化を承認

ブラジル経済省の貿易審議運営実行委員会（GECEX、注1）は8月18日、メルコスールの対外共通関税率を10％引き下げることを定めた7月のCMC決議08/22号の国内法化を承認したと発表した（GECEX第197回審議/2022）。同CMC決議の発効には各国による国内法化が必要で、その期限は9月1日となっている。

また、8月18日付の経済省の発表によると、GECEXは第197回審議/2022の決定事項として以下の7品目をメルコスール対外共通関税率表の例外品目リスト（LETEC、注2）に加え、輸入税を削減すると発表した。現時点では対象品目選定の理由を明らかにしておらず、9月1日から施行する。

• たんぱく質濃縮物および繊維状にしたたんぱく質系物質：〔NCM（注2）コード：2106.10.00〕、削減後の輸入税率：0％
• 栄養補助食品：〔NCMコード：2106.90.30〕、削減後の輸入税率：0％
• 卵白（乾燥したもの）：〔NCMコード：3502.11.00〕、削減後の輸入税率：0％
• 卵白（その他のもの）：〔NCMコード：3502.19.00〕、削減後の輸入税率：0％
• ミルクアルブミン（2種類以上のホエイたんぱく質の濃縮物を含む）：〔NCMコード：3502.20.00〕、削減後の輸入税率：4％
• アルブミン（2種類以上のホエイたんぱく質の濃縮物を含むものとし、ホエイたんぱく質の含有量が乾燥状態で全重量の80％を超えるものに限る）、およびアルブミナートその他のアルブミン誘導体のうち、その他のもの：〔NCMコード：3502.90.90〕、削減後の輸入税率：4％
• その他の衣類（第62.02項のものと同一種類のものに限る）のうち、防水性と高靭（こうじん）性のポリアミド生地でできた吸入式(エアバッグ)の機能を備えたベストと、ジャケットでオートバイに乗る者の保護に使用されるもの（例外関税制度：Ex-Tarifárioに位置付け）：〔NCMコード：6210.30.00〕、削減後の輸入税率：0％

（注1）GECEXは経済省国貿易国際問題特別局、および貿易関連の政策をつかさどる貿易審議会（CAMEX）に属し、ブラジル国内で課す関税率を決定する機関。

（注2）NCMコードは、関税同盟のメルコスールの共通関税番号のこと。最初の6桁はHSコードと同じ。ブラジルなどメルコスール正式加盟国は域外からの輸入品に対する共通の関税である対外共通関税率（TEC）を適用している。今回の措置はメルコスール加盟各国が一定の品目数を上限として設定可能なメルコスール対外共通関税率表の例外品目リスト（LETEC）(731KB)に7品目を追加し、ブラジルが独自に輸入税を引き下げたもの（詳細はジェトロウェブサイトを参照(731KB)）。

（古木勇生）