中国、G7外相声明に反発、日中外相会談を中止
(中国、米国、台湾、日本)
北京発
2022年08月08日
中国の王毅・国務委員兼外交部長(外相)は8月4日、G7外相による「台湾海峡の平和及び安定の維持に関するG7外相声明」に対して、「是非を転倒し、中国の主権と領土の完全性を守るための合理的・合法的な措置をいわれもなく非難するものだ」として反対を表明した。ASEAN関連会議でカンボジアのプノンペンを訪問中の王外相は、米国連邦議会のナンシー・ペロシ下院議長の台湾訪問について連日批判を行っている(2022年8月3日記事、8月5日記事参照)。
王外相は台湾の緊張局面について「事件の発端も、危機を作り出したのも、局面をエスカレートさせているのも、米国だ」とし、もしこれを正さなければ内政不干渉の原則や国際法、地域の平和を守ることはできないとした。
その上で、現在の中国は「(列強から侵略を受けた)19世紀の中国ではない」とし、「国際社会は『一つの中国』原則に挑むような行為に対して明確に反対し、各国の主権と領土の完全性に対する一切の侵犯を阻止すべきだ」と強調した。
また、中国外交部は同日に開催された記者会見でG7声明に対して、現在の中国は各国の侵略を許した100年以上前の中国ではないとして、G7各国は「列強の夢から覚めるべきだ」と批判した。
カンボジアで開催が予定されていた日中外相会談が中止されたことについて、日本がG7声明に参加し、「中国の主権を侵犯する行為の手先となっており、中国の人々は極めて不満に思っている」ことが原因と明言した。
(河野円洋)
(中国、米国、台湾、日本)
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