カンクンで72億6000万ペソのインフラ整備、着工を発表

(メキシコ)

米州課

2022年08月08日

メキシコの代表的な観光地であるキンタナロー州カンクンで、72億6,000万ペソ(約479億1,600万円、1ペソ=約6.6円)にも及ぶインフラ整備工事が7月31日に開始した(大統領府プレスリリース7月31日)。同インフラ整備の実施については、2022年1月29日にアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール(AMLO)大統領がカンクンを訪れた際に発表(大統領府プレスリリース1月29日)。

今回のインフラ整備について、キンタナロー州知事は、カンクンは年間2,550万人ほどの観光客が訪れる国内のビーチリゾートでは1番目の観光地であることを踏まえ、「カンクンは航空機の稼働率が90%と非常に高く、国内外の多くの観光客が訪れる都市で、今回のプロジェクトは大変重要だ」としている。また、AMLO大統領は「このインフラ整備を行うことによって約5万人の直接的また間接的な雇用を生み出すことができる」とコメント(大統領府プレスリリース7月31日)。同プレスリリースによると、インフラ通信運輸相のホルヘ・アルガニス・ディアス・レアル氏も「このプロジェクトによってカンクンの移動手段の課題を解決し、地域の経済活動を活性化するための雇用を生み出すことができる」としている。

同インフラ整備の4つのプロジェクトは以下のとおり。

  1. ニチュプテ橋の建設:2023年12月までに完成予定。ルイス・ドナルド・コロシオ通りからホテルゾーン(Zona Hotelera)、カバ通り、ボナンパック通りにつなぐ全長8.8キロの橋。
  2. ルイス・ドナルド・コロシオ通りの修繕工事:2023年10月までに完成予定。ルイス・ドナルド・コロシオ通りはカンクン国際空港からカンクン中心部を結ぶ全長13.5キロの道路。現在建設中のニチュプテ橋につながる予定。
  3. チャック・モール通りの建設:2023年9月までに完成予定。ルイス・ドナルド・コロシオ通りからカンクン国際空港につながっているウアヤカン通りを結ぶ全長4.4キロのチャック・モール通りの建設。
  4. カンクン国際空港からリビエラ・マヤとカンクンのホテルゾーンまでを結ぶ高速道路の拡張:2023年10月までに完成予定。現在の片側1車線から2車線に拡張。

7月31日の施工開始発表の際、AMLO大統領は各プロジェクトの完成予定日についても言及しているが、ニチュプテ橋の建設については、インフラ通信運輸省(SICT)が環境アセスメントに基づいて計画した施工計画によると、2024年6月に完成予定としており、AMLO大統領の発表した期限と大きく乖離している(「エル・エコノミスタ」紙7月31日)。

(高氏朋佳)

(メキシコ)

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