スペイン入国条件を緩和、陰性証明書だけでも入国可能に

(スペイン)

マドリード発

2022年05月27日

スペイン政府は5月21日から、日本を含むEUとEFTA(アイスランド、ノルウェー、スイス、リヒテンシュタイン)以外からの入国制限(2022年5月19日記事参照)を緩和した。入国時の証明として、EU・EFTA域内からの入国者と同様、ワクチン接種証明書、回復証明書に加え、陰性証明書も認めるようになった。

EU・EFTA以外からの入国制限緩和は、夏のバカンス期を前に、スペイン航空協会(ALA)をはじめとする観光業界からの強い要望に応えたもの。特にスペインのインバウンド観光客の2割を占め、最も重要な市場である英国がEU離脱により域外国となったため、入国制限の緩い他の競合国に客が流れることが懸念されていた。また、2022年第1四半期のスペインへの観光客数は2019年同期比で32%減となり、欧州内からの観光客は比較的に回復傾向にあるものの、米国からは45.7%減、中国や日本を含むその他の国々からは66.1%減となっており、政府は規制緩和を通じて、域外からの観光客の呼び戻しを狙う方針。

準備すべき書類・手続き:健康状態申告+証明書>

日本からの入国者(12歳以上)は、スペイン保健省の渡航者向け健康状態申告書のウェブサイトまたは専用アプリ「SpTH外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」で氏名や到着日、フライト便名、新型コロナウイルスのワクチン接種情報や罹患(りかん)歴などを登録し、事前にQRコードを取得しておく必要がある。また、この登録内容を証明するものとして、以下の証明書のうち、いずれか1つを取得しておかなければならない。

  • ワクチン証明書:有効期間は最終接種日の14日後から270日以内(ブースター接種の場合は、接種日当日から有効)。少なくとも最後に接種したワクチンが、欧州医薬品庁(EMA)または世界保健機関(WHO)が承認したもの。18歳未満でワクチン未接種の場合は、出発前72時間以内に実施したPCR検査の陰性証明書を代わりに提出できる。
  • 回復証明書:有効期間は、医療機関が実施するPCR検査または迅速抗原検出検査による最初の陽性結果から11日後から180日以内。
  • 陰性証明書:出発前72時間以内に実施されたPCRを含む核酸増幅法検査、または出発前24時間以内に実施された欧州委員会が認める迅速抗原検出検査の証明書。

ただし、現在、日本とスペインの間で直行便が運行されておらず、乗り継ぎ地の規則によっては陰性証明書も要求される可能性がある。ワクチン証明書または回復証明書を取得済みであっても、乗り継ぎ地での陰性証明書の提示の要否を事前に確認することが推奨される。

なお、EU・EFTA居住者をはじめ、EUデジタルCOVID証明書または同等の証明書の所持者がスペインに入国する際は、SpTHの登録は不要。

(伊藤裕規子)

(スペイン)

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