カナダ・トルドー首相、ウクライナ・ゼレンスキー大統領と会談、さらなる支援を約束

(カナダ、ウクライナ)

トロント発

2022年05月12日

カナダのジャスティン・トルドー首相は5月8日、ウクライナのキーウ(キエフ)を訪問し、ボロディミル・ゼレンスキー大統領と会談外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

両首脳は会談でウクライナへの人道的、財政的、軍事的支援を含む国際的な支援の必要性やロシアのウクライナ侵攻に対する世界的な取り組みについて議論し、トルドー首相は以下の追加措置を発表した。

  • これまで供与した大砲、弾薬、民間型軽装甲車に加え、5,000万カナダ・ドル(約50億円、Cドル、1Cドル=約100円)の追加軍事支援の実施
  • ウクライナの食糧安全保障に対処するため、カナダが同国への人道支援として拠出する1億Cドルのうち2,500万Cドルを世界食糧計画(WFP)への拠出に割り当て
  • ウクライナの人権、市民社会、地雷除去を支援するため1,000万Cドルの資金提供

トルドー首相はまた、ウクライナからの輸入品に対する関税を1年間一時的に撤廃する意向(2022年5月12日記事参照)を示し、カナダが特別経済措置規則に基づいて21人のロシア人への追加制裁、および19人のロシア人や5事業体へ新たな制裁を講じることも発表した。

同首相は「ゼレンスキー大統領は、ウクライナ人とともに民主主義国家の根幹にある価値を守っている。彼の勇気とウクライナ人の勇気には心を動かされる。われわれはウクライナが必要な支援を受けられるよう、今後もできる限りのことを行っていくつもりだ」と述べた。

さらに、同日、クリスティア・フリーランド副首相兼財務相、メラニー・ジョリー外相は、首相とともに在ウクライナ・カナダ大使館の再開を記念する国旗掲揚式に参加した。カナダは、外交上のプレゼンスとサービスを徐々に回復させる一環として、キーウで外交業務を再開する。

2022年2月以降、カナダは人道支援策として2億4,500万Cドル、防衛用軍事装備として1億3,100万Cドル以上をウクライナへ提供するとともに、6億2,000万Cドルの2国間融資を約束し、うち5億Cドルはすでに支払われている。さらに2022年度予算では、ウクライナ向けにIMF管理勘定を通じた10億Cドルの融資や5億Cドルの追加軍事援助を提案している。

(飯田洋子)

(カナダ、ウクライナ)

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