現代自動車、55億ドルで米ジョージア州に初のEV専用工場を新設

(米国、韓国)

アトランタ発

2022年05月23日

韓国の現代自動車グループは5月20日、米国ジョージア州に電気自動車(EV)およびバッテリー工場を新設すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。投資額は55億4,000万ドル。東海岸サバンナ港の西約50キロに位置する「ブライアン・カウンティ・メガサイト」の2,923エーカー(約12平方キロ)の敷地に建設し、8,100人の雇用を見込む。2023年初めに着工し、2025年上半期から本格生産を開始、複数車種を年間合計30万台生産する計画だ。

今回の投資は、同グループが2021年5月に表明した米国での74億ドルに上る新規投資の一環だ(2021年5月20日記事参照)。新設される工場ではガソリン車は生産されず、EV向け専用工場となる。現代自動車の張在勲(チャン・ジェフン)最高経営責任者(CEO)は「米国は変化を受け入れ、イノベーションを推進する国であるため、われわれは米国に初のEV専用工場を建設することを決定した」と説明。「新EV工場はわれわれのビジネスの未来だ。最先端のデザイン、安全でゼロ・エミッションの車を将来にわたって求める、米国内で高まる顧客の要求に応えていく」と述べている。2026年までに、米国市場においてトップ3に入るEVメーカーとなることを目指すという。

進出先となるジョージア州では、2021年12月に新興EVメーカーのリビアンが50億ドルを投じて工場を建設すると発表(2021年12月21日記事参照)。単体の投資としては同州史上最大のプロジェクトとなっていたが、現代自動車による今回の投資はそれをさらに上回る。同州のパット・ウィルソン商務長官は「ケンプ州知事のリーダーシップの下、ジョージア州を電動モビリティの最前線に置くことに注力してきた。同グループ初となるEV専用工場建設の発表は、EV移行におけるわれわれの地位を確固たるものにする」と述べた。

現代自動車は今後、現地のベンダーやサプライヤーを求めていく。本プロジェクトに関する情報提供依頼書(RFI)や提案依頼書(RFP)のやり取りに向けた登録のほか、サプライチェーンに関する情報は、州政府が立ち上げたウェブページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに順次掲載されていく予定。

(高橋卓也)

(米国、韓国)

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