クアッドで訪日のモディ・インド首相、岸田首相と会談

(インド、日本)

アジア大洋州課

2022年05月25日

日米豪印のクアッド(QUAD)首脳会合(2022年5月25日記事参照)のため訪日中のインドのナレンドラ・モディ首相は5月24日、岸田文雄首相と会談を行った。対面での首脳会談は3月の岸田首相のインド訪問以来。

会談では、前回会談で挙げられた日本からインドへの今後5年間で5兆円の官民投融資の目標達成に向けて双方が協力し、サプライチェーン強靭(きょうじん)化につなげていくことが話し合われた。モディ首相は、日本企業がインドへの投資を拡大している折、インド国内製造業の振興を目的とした生産連動型優遇策(PLI)のさまざまな分野で日本企業24社が申請していることに謝意を述べた。また、高速鉄道プロジェクトや、次世代通信、グリーンエネルギーでの協力などのほか、いろいろな分野の両国協力について議論が交わされたもようだ。

モディ首相は23~24日の予定で訪日し、インド太平洋経済枠組み(IPEF:Indo-Pacific Economic Framework for Prosperity)立ち上げ(2022年5月24日記事参照)や、クアッド首脳会合、各国との首脳会談といった政治的行事などのほか、日本企業34社の経営トップが参加したラウンドテーブル出席や、ソフトバンク、スズキ、ファーストリテイリング、NECとの個別面談で経済界との交流を行った。また、在日インド人との交流会にも参加した。

次回の相互訪問としてモディ首相の訪日についても調整されることとなり、2022年に日印国交樹立70周年を迎え、13億5,000万人の人口大国、かつ中間層の拡大に伴う巨大な国内市場と、9%近いGDP成長率を誇るインドとのさらなる連携強化が期待される。

(北村寛之)

(インド、日本)

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