輸入博会場も仮設病院に、展示会延期で日本企業の販路拡大にも影響

(中国)

上海発

2022年04月11日

中国・上海市では新型コロナウイルス感染拡大とそれに伴う封鎖管理が継続しており、日系企業の事業活動にも大きな影響が出ている(2022年4月7日記事参照)。感染拡大を受け、上海市内の濃厚接触者は、上海周辺の江蘇省、浙江省が提供する隔離施設に移されている。上海市も、市内での軽症者や無症状感染者を収容する施設の確保を急いでおり、市内の主要展示会場である上海新国際博覧中心、上海市万博博覧中心、国家会展中心などが、隔離施設となっている。このうち、国家会展中心は2018年以降毎年、中国国際輸入博覧会(輸入博)が開催されてきた巨大展示コンベンション会場だが(2021年11月10日記事参照)、全8ホールのうち4つのホールを、4万床を有する上海最大の仮設病院として改装した。

これら展示会場では、毎週のようにオフラインの展示会が開催されていたが、4月に開催予定だった全ての展示会は延期となっている。仮設病院に改装された施設は、感染拡大が収まったあと、直ちに展示会を開催することは難しいとみられる。5月に上海新国際展覧中心で開催予定の第27回中国美容博覧会、食品見本市のSIAL CHINA 2022には、いずれもジェトロがジャパンパビリオンを取りまとめて出展予定だったが、SIAL CHINAは既に延期が決定し、美容博覧会も延期の可能性がある。

感染が長引けば、美容、化粧品、食品など、中国市場開拓に向け関心の高い分野におけるその他の展示会が延期になる可能性がある。封鎖管理による操業停止など直接的な影響に加え、展示会を活用した日本企業の中国市場開拓に向けた取り組みにも影響が及ぶことが懸念される。

(尹世花)

(中国)

ビジネス短信 5e05cd9261b3ede4