ルーマニア、ウクライナ避難民向けの労働許可手続きを簡素化

(ルーマニア、ウクライナ、ロシア)

ブカレスト発

2022年03月16日

ロシアによるウクライナ軍事侵攻のため増え続けるウクライナ避難民の生活を支援するため、EU理事会(閣僚理事会)は3月4日、避難民の一時的保護に関する実施決定を採択した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。ルーマニアの3月14日付と15日付「ナインオクロック」紙は、政府はこの決定に基づき、避難民の労働許可手続きの簡素化を定める緊急政令20/2022号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(ルーマニア語)を3月8日付官報に掲載し、同11日から施行したと報じた。

3月14日付「ナインオクロック」紙によると、ウクライナ人については従来、ルーマニアでフルタイムの雇用契約を締結する場合、年間で最長9カ月間までは労働許可証の取得は不要だった。同紙によると、今回の政令により、9カ月間を超える雇用契約についても、労働許可証の取得が不要となった。また、就業の際、特定の職業資格や実務経験に関する証明書類を保有していない場合でも、当該職業に従事するための資格や経験を有していることと、職業に関する犯罪歴がないことを記載した宣誓供述書を提出することで、就業が可能となる。この場合、12カ月間の就業が認められ、さらに6カ月間の延長を連続2回まで繰り返すことができる。なお、宣誓供述書による就業は医師や歯科医、薬剤師、建築士などには適用されない。

同紙によると、以上の規定は難民申請をしていないウクライナ人にのみ適用され、難民申請中のウクライナ人については、難民認定されればルーマニア人と同様の条件で就業することが可能になる。しかし、難民認定までには通常最低3カ月かかることから、デメリットとなる場合があると報じた。

(西澤成世)

(ルーマニア、ウクライナ、ロシア)

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