米政府、ロシア連邦議員や防衛企業など400超の個人・事業体に制裁

(米国、ロシア、ウクライナ)

ニューヨーク発

2022年03月25日

米国のバイデン政権は3月24日、EUとG7との協調を踏まえて、ウクライナ侵攻をめぐる新たな対ロシア制裁を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

具体的には、ロシア連邦議員328人、同国の金融最大手ズベルバンクのヘルマン・グレフ最高経営責任者(CEO)、富豪のゲンナジー・ティムチェンコ氏とその家族、金融大手ソブコムバンクの役員17人、ロシアの国有防衛企業48社を「特別指定国民(SDN)」に指定した。NATOサミットなどへの出席のため訪欧中のジョー・バイデン大統領はツイッターで「彼らはロシア大統領府(クレムリン)の政策から個人的な利益を得ており、痛みを共有するべきだ」と発言している。SDNに指定された対象には、次の制裁が科される。

  1. 在米資産の凍結
  2. 米国人(注1)との資金・物品・サービスの取引禁止

また、それらが直接または間接的に50%以上を所有する事業体も同じ制裁の対象となる。今回指定されたSDNの詳細は財務省ページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで確認できる(注2)。

さらに、バイデン政権は、G7の首脳およびEUが制裁回避を防止するための情報協力に関する共同のイニシアチブを立ち上げるとともに、ロシア経済の維持および戦費調達を防ぐため、対ロ金融制裁の対象にロシア中央銀行が関与する金を含む外貨準備の取引も含まれることを明確にしたとしている。

ウクライナ避難民を最大10万人受け入れ

バイデン政権は併せて、ウクライナへの追加支援策も発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。今回の戦争で被害を受けた人々に対する食料や医療品の提供などの人道支援に10億ドル、ウクライナや近隣国での民主主義と人権の保護に関する活動に3億2,000万ドルを拠出するとしている。さらに、10万人を上限に、ウクライナからの避難民を米国に受け入れるとしている。

(注1)米国市民、米国永住者、米国の法律に基づく、もしくは司法権が及ぶ域内に存在する法人(外国支所も含む)、もしくは米国内に存在するあらゆる個人を指す。

(注2)ウクライナ情勢に関する財務省の制裁の全容については、財務省の「ウクライナ/ロシア関連制裁」のポータルサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照。また、制裁対象に指定された個人・企業などについては、同省外国資産管理局(OFAC)のデータベース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでCountry欄のRussiaを選択し、Searchをクリックすることで確認が可能。

(磯部真一)

(米国、ロシア、ウクライナ)

ビジネス短信 17dd55dee7c0b2ad