中銀、全国419両替店を商業銀行のパートナー店として承認

(ラオス)

ビエンチャン発

2021年09月24日

ラオス中央銀行は9月17日付で、商業銀行の両替パートナー代理店の許可に関する中央銀行事務室告示(No.175/SO)を発布し、全国419店舗の両替店を商業銀行のパートナー店とすることを承認した。この措置は、中銀が定める公定レートを基準とした商業銀行為替レートに対して、市中の両替店が独自の為替レート(パラレルレート)を提供する中、現地通貨キープと米ドルの、銀行レートとパラレルレートの差が近年大きく拡大し、2021年7月には20%を超えたことで、両替店の管理を強化するために導入された。

これまでは2021年7月12日付告示(両替店の商業銀行のパートナー両替店化に関する中央銀行通貨政策局告示、No.758/DCP)で、全国の両替店は90日以内に商業銀行とパートナー契約を締結することを指示し、契約できない場合は両替事業者の許可を取り消すとしていた。その後、同年8月12日付告示(両替店の商業銀行パートナー代理店化に関する中央銀行告示、No.111/BOL)を発出し、当初の期限を前倒して8月31日までに全国の両替店は商業銀行と個別に協議を行い、パートナー契約を締結することを命じた。

ラオス政府は8月5~10日に開催された臨時国会で、重要な文書「経済財務問題に関する国家アジェンダ」を採択した。その中で、銀行と両替店との為替の差は2%以下にすることを掲げた。今回の措置はその迅速な実施といえる。

キープ安対策の一環

現地商業銀行関係者は、「今回の措置は、貿易赤字や経常収支赤字に加えて外貨準備高が逼迫する中、通貨キープ安対策の一環だ。今後は商業銀行がパートナー契約をした両替店の管理を直接行うことになる。両替店はパートナー銀行の口座を通し透明性のある通貨取引を行うことが必要になる。商業銀行としては両替店を介して外貨調達の選択肢が増えるが、一方で両替店の管理が課題となる」と指摘している。

両替店が認可された9月17日には、商業銀行(BCEL)の両替レートは1ドル9,814キープと、前日比2%のキープ安が進んだ。22日現在では銀行レートは1ドル9,831キープだが、市中両替店では1万1,600キープを提示しており、依然として18%と大きな差がある。

写真 市中の両替店(ジェトロ撮影)

市中の両替店(ジェトロ撮影)

(山田健一郎)

(ラオス)

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