英国政府、移行期間後の「UKCAマーク」のガイダンス公開

(英国)

ロンドン発

2020年09月10日

英国政府は9月1日、EU離脱の移行期間終了後の2021年1月1日から適用される、UKCAマークについてのガイダンス外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。英国政府が2019年2月2日に公開した新しい基準適合マークのUKCAマークは、EUのCEマークに代わるもの(2019年2月6日記事参照)で、現在のCEマーク対象製品の大半が、UKCAマークでも引き続き対象となる(注1)。なお、北アイルランドは対象外(注2)。

2021年1月1日以降、UKCAマークにおいて満たす必要のある技術要件(必須要求事項)、および適合性評価のプロセス・規格の大部分は、CEマークと同様となる。他方、猶予期間として、CEマークを2021年12月31日まで引き続き使用することを可能とした。ただし、以下の全てに該当する場合には、2021年1月1日からUKCAマークの使用が必要となる(注3)。

  • 英国市場向けの製品
  • UKCAマークを必要とする法律が適用される製品
  • 第三者認証機関(NB)による適合性評価が必須な製品
  • 適合性評価が英国の認証機関によって実施され、2020年12月31日までに英国の認証機関からEUの認証機関に適合性評価ファイルを移管していない製品

UKCAマークの使用に当たっては、5ミリ以上の大きさの確保や、視認性・可読性などの条件が示された。また、2023年1月1日以降は、同マークが恒久的に貼付された状態にする必要がある。

UKCAマークを付けるに当たって作成しなければならない「英国適合宣言」についても、現在の「EU適合宣言」とほぼ同様の内容になるとした。宣言に必要な情報については、各法律に応じて異なるものの、以下の一般的な要件になるとした。

  • 製造者あるいは認定代理人の名称と住所
  • 製品のシリアル番号、モデル、またはタイプの識別情報
  • 製品の法令順守について全ての責任を負うことの宣言
  • 適合性評価を実施した認証機関の詳細(該当する場合)
  • 製品が準拠する関連法
  • 代表者の名前と署名
  • 宣言が発行された日付
  • 補足情報(該当する場合)

2022年1月1日以降、CEマークは英国のUKCA対象地域に関して認められなくなる。ただし、CEマークがついた製品でも、UKCAマークが貼付され、英国の関連規則に準拠する限り、英国での販売は引き続き可能としている。

(注1)UKCAマークの要否について、詳しくは英国政府ガイダンス外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照。

(注2)北アイルランドでは、UKCAマークのみの使用は不可とされ、CEマークあるいはUK(NI)マークのいずれかが必要となる。詳細については英国政府の解説資料(項目11.Great Britain to Northern Ireland: manufactured goods)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照。

(注3)ただし、2021年1月1日より前に製造され、市場へ流通可能な状態の在庫品などには適用されない。

(尾崎翔太)

(英国)

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