第2四半期のGDP成長率、前期比マイナス12.1%

(ベルギー)

ブリュッセル発

2020年09月03日

ベルギー国立銀行(NBB)の8月31日の発表によると、ベルギーの2020年第2四半期(4~6月)の実質GDP成長率(季節調整済み)は、新型コロナウイルスの影響を受け、前期比マイナス12.1%となった。第1四半期(1~3)の同マイナス3.5%に続いて2四半期連続のマイナス成長で、経済活動の大きな後退を印象付けた。前年同期比ではマイナス14.4%となった(添付資料表参照)。

需要項目別にみると、内需を牽引する民間最終消費支出は、旅行向け支出の減少などにより、前期比12.7%減と大きく落ち込んだ。政府最終消費支出は、必須でない手術や受診などの医療サービス活動が減少し、8.3%減となった。国内総固定資本形成も大きく減少し18.2%減だった。民間投資も新型コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受け、19.9%減となった。また、世界的な貿易需要の低下により、財貨・サービスの輸出と輸入はそれぞれ前期比13.3%減、13.9%減と大きく落ち込んだ。

産業別にみると、製造業が付加価値ベースで前期比12.9%減(寄与度マイナス1.9ポイント)、建設業が13.4%減(同マイナス0.6ポイント)、サービス業が11.5%減(同マイナス8.1ポイント)となった。サービス業の中でも、卸売り・小売り、車両メンテナンス、運輸・倉庫、宿泊・飲食業が大きく落ち込み、GDPを3.4ポイント押し下げた。また、芸術・娯楽・その他サービスもGDPを2.2ポイント押し下げた。

ベルギー連邦計画局(BFP)が7月17日に発表した中長期の経済予測では、2020年通年の実質GDP成長率は、新型コロナウイルスの影響を受けて、第2次世界大戦以降最も大きな落ち込みとなるマイナス10.5%となり、2021年は8.2%、2022年は3.3%のプラス成長となるとの見通しを示している。

(大中登紀子)

(ベルギー)

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