豪政府、住宅の新築や改築に2万5,000豪ドルの助成金

(オーストラリア)

シドニー発

2020年06月09日

オーストラリアのスコット・モリソン首相は6月4日、新型コロナウイルスの影響を受けた国内経済の回復を支援するため、住宅の新築または大幅な改修工事に助成金を提供する「ホームビルダー・プログラム」を実施すると発表した。予算総額は6億8,000万オーストラリア・ドル(約510億円、豪ドル、1豪ドル=約75円)を見込み、約2万7,000件の建設工事を支援する計画だ。

「ホームビルダー・プログラム」は、新しい住宅の建設または既存住宅の大幅な改修を行う個人の住宅所有者に対して、1件当たり2万5,000豪ドルを助成する。申請者に対しては、単身の場合は年収12万5,000豪ドル、夫婦の場合は年収20万豪ドルの所得上限が設けられている。また、本プログラムは時限的な支援策として位置付けられていることから、対象となる案件は、2020年6月4日から12月31日までの間に契約が締結される建設工事で、契約締結から3カ月以内に着工する必要がある。さらに、新築の場合は価格が75万豪ドル以下であること、大幅な改修の場合は既存住宅の現在の価値が150万豪ドル以下で、改修費用が15万豪ドルから75万豪ドルの間であることが条件となっている。

オーストラリア統計局(ABS)が6月3日に発表した、4月の住宅建設認可件数(季節調整値)は、一戸建て住宅が前月から2.7%増加したものの、集合住宅が8.9%減少したことから、全体では前月比1.8%減の1万5,294件となった。モリソン首相は、「新型コロナウイルスの影響によって、2020年後半には建設活動の縮小が予測される」として、「ホームビルダー・プログラムによって需要を喚起し、建設業14万人の雇用に加え、住宅関連産業100万人の雇用を支援する」と述べている。

(住裕美)

(オーストラリア)

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