上海市、厳格な隔離措置が必要な重点地域として日本を除外

(中国)

上海発

2020年03月25日

上海市政府は新型コロナウイルスの海外からの輸入症例リスクを防止するためとして、これまで隔離措置を実施する重点地域として16カ国・地域(2020年3月19日記事参照)を指定していた。3月20日午前0時より、上海市政府は新たにオーストラリア、マレーシア、ギリシャ、チェコ、フィンランド、カタール、カナダ、サウジアラビアの8カ国・地域を追加し、重点地域は計24カ国・地域となった。

さらに、3月23日午前0時より、上海市政府は日本を重点地域から除外し、フィリピンを加えることを発表した。3月23日時点で14日間の一律隔離を求められる重点地域となる24カ国・地域は、韓国、イタリア、イラン、フランス、スペイン、ドイツ、米国、英国、スイス、スウェーデン、ベルギー、ノルウェー、オランダ、デンマーク、オーストリア、オーストラリア、マレーシア、ギリシャ、チェコ、フィンランド、カタール、カナダ、サウジアラビア、フィリピンとなった。

一方で3月22日、上海市政府は海外からの輸入症例の発生を防ぐため、重点地域以外の全ての海外からの入国者に対してPCR検査を実施することを発表している。日本からの渡航者は、14日間の一律隔離対象から外れるものの、PCR検査は引き続き実施されるものとみられる。

こうした中、上海市は3月24日午前0時から重大突発公共衛生事件のレベルを1級から2級に引き下げることを発表した。上海市では経済活動の早期正常化に向けた動きが活発になっており(2020年3月23日記事参照)、今後は海外からの輸入症例による感染拡大を防止することにより一層力を入れていくものと思われる。

(高橋大輔)

(中国)

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