広東省で物流回復の動き、移動制限の緩和や手続き簡素化

(中国)

広州発

2020年03月10日

中国広東省で新型コロナウイルスの感染状況は落ち着きを見せ始めており、広東省政府は経済の回復に向け、2月下旬から移動制限の緩和や操業再開に伴う手続きの簡素化を実施している。

広東省政府は2月21日、「物流企業・配送業者の円滑な操業再開を保障するための通知外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(以下、通知)」を発表した。これにより、(1)車両の円滑な通行の保障、(2)従業員の復帰促進、(3)操業再開に必要な審査手順の簡略化、(4)末端の配達サービスの最適化、(5)企業の正常運営のサポート、(6)財政・金融支援の強化という6つの措置を打ち出した。

また、移動制限を緩和し、従業員を順調に復帰させるため、広東省交通運輸庁は23日に「操業再開の支援に向けた感染予防・抑止策の遂行および交通運輸の秩序ある回復に関する通知外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表。緊急生活物資や重点生産物資などの輸送車両専用の「グリーンレーン(緑色通道)」の設立、省外に通じるバスの運行再開など、具体的な措置を盛り込んだ。

さらに、24日に広東省は「重大突発公共衛生事件」のレベルを「1級事件」(特に重大)から「2級事件」(重大)に引き下げた(2020年2月25日記事参照)。これを受けて2月25日には、広東省外に通じる道路の256カ所の検温ポイントを全て撤去した。

これらの緩和措置により、広東省内の物流は回復しつつある。広州市郵便管理局の周建軍局長は、2月24日時点で市内約3,000カ所の配達所を再開し、1日当たりの平均集荷量は1,150万件、配達量は約400万件で、2019年の70%の水準にまで回復したと述べた。深セン市の港湾海運会社の再開率は88.3%に達した(「中国交通新聞網」3月2日)。また、中山港税関によると、中山港の国際コンテナ取扱量も通常時の7割まで回復した(「南方網」2月24日)。

広東省工業情報化庁によると、2月26日までに生産・操業を再開した同省の一定規模以上の工業企業(注)は5万社近くとなり、再開率は93.9%に達した。

(注)その年の主な業務による売上高が2,000万元(約3億円、1元=約15円)以上の工業企業。

(梁梓園、郭冬梅)

(中国)

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