ベルギーで新型コロナウイルスの感染者数が増加、危機管理レベルを引き上げ

ベルギー連邦政府は3月1日、2件目の新型コロナウイルス感染例が国内で発生したことを受け、危機管理計画のレベルを引き上げ、第2段階（全3段階）としたと発表した。同措置を受けて、ベルギー政府は、新型コロナウイルス感染者が国内に存在していることを前提として、感染拡大を抑えるための措置をとる。具体的には、感染者は、特別な施設もしくは自宅などの隔離された場所で治療を受ける。また、感染者との濃厚接触者（家族、同僚、旅行の同行者、など）は、当局のリストに入れられ、連絡を受けて健康状態の確認などが行われる。また当局は、可能であれば、濃厚接触者に対して、ウイルス検査や安全性が確認されるまで隔離する、などの措置を実施する。

感染者数が大幅に増加した場合、危機管理計画のレベルは、第3段階に引き上げられる見込み。第3段階では、当局は感染者の治療に焦点を当て、国内の病院の空き状況に応じた感染者の受け入れなどを行う。

3月3日のべルギー連邦政府の発表によると、新型コロナウイルスの感染者数は、前日から5人増加し、合計で13人となった。ベルギーでは、3月2日の夜中に、2月末のカーニバル（キリスト教の謝肉祭）休暇明けの帰国者約243人に対して、新型コロナウイルス検査を行っていた。今回、陽性と診断された5人は、北イタリアからの帰国者だった。感染者は全員、発熱、せきなどの軽い症状を訴えているものの、安全な場所で必要な措置が取られている。

（大中登紀子）