ドバイ万博の第4回参加国会議開催、中身の議論も本格化

(アラブ首長国連邦)

ドバイ発

2020年01月06日

アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開催される2020年ドバイ国際博覧会(会期:2020年10月20日~2021年4月10日)(以下、ドバイ万博)に向けて2019年11月29、30日、第4回参加国会議がドバイ市内ホテルで開催された。主催したドバイ万博公社によると、約200の国・地域・機関から1,000人近くが参加し、インフラなどの外郭のみならず、中身の議論を深めるフェーズとなった。

会議では、コンテンツ作成の留意点を共有する狙いとして、スウェーデンのNGO団体「ギャップマインダー」によるセッションが行われた。この団体が31カ国の約2万人に対して実施したアンケート調査を紹介し、例えば「ルワンダで初等教育を受けた割合」についての設問に正解の「95%」を選択した割合がほとんどの国で1割を下回った一方で、正解と最も離れた「35%」の選択が多くの国で多数を占めるなど、「人々がいかに他国について誤った認識を持っているか」が浮き彫りとなった。パネルディスカッションでは、ルワンダやインド、スウェーデンなどに加えて国連などの会議参加者が登壇、こうした誤ったイメージの根深さを実体験も含めて語り、ドバイ万博のテーマである「心をつなぎ、未来をつくる」ために、各国が正しい情報を意識して伝え、理解していくことの重要性をあらためて示した。

各パビリオンの担当者によるプレゼンテーションでは、それぞれが認識する社会課題を提起したり、自館が計画するプログラム紹介や協力を呼び掛けたりした。ノルウェーはテーマとする海洋汚染の現状を紹介、スペインは子供たちの知能発達や文化共生促進を図るためのチェス世界大会の構想を発表して参加を呼び掛けたほか、ドバイの慈善団体「ドバイ・ケアーズ」は持続可能な開発目標(SDGs)の1つ「質の高い教育普及」に向けたフォーラムを開催していく計画を表明した。ドバイ万博公社は討論会シリーズ「ワールド・マジュリス(過去の取り組みは2019年7月18日記事参照)」の実施計画などを発表しており、万博開催まで10カ月になる中、「心をつなぐ」プラットフォームとなる万博のコンテンツが煮詰められている。

写真 ギャップマインダー・セッションでのパネルディスカッションの様子(ジェトロ撮影)

ギャップマインダー・セッションでのパネルディスカッションの様子(ジェトロ撮影)

(田辺直紀、安井梓)

(アラブ首長国連邦)