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日本産食品の輸入規制を緩和で合意‐11月1日から発効見込み(EU)

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2012年10月21日 ブリュッセル事務所発

EU加盟国は10月19日、食品連鎖・動物衛生常設委員会(SCoFCAH)会合で、日本からの輸入食品の放射能検査に関する欧州委員会規則を見直し、緩和することで合意した。同規則案では、対象となる12都県のうち、福島県を除く11都県については、全ての食品と飼料について添付を義務付けてきた放射線検査分析報告書の対象品目を限定する。また、すべての酒類を輸入規制の対象外とし、輸入時に実施されていたサンプル検査の抽出率を全加盟国・全品目について一律5%と規定した。今回の規則案は、欧州委員会により正式に採択される予定で、2012年11月1日から発効し、2014年3月31日まで適用される見込み。

<放射線検査分析報告書が必要な品目を大幅に削減>
SCoFCAHは19日、加盟国の投票により、9月から見直しを続けていた日本からの輸入食品規制について緩和することで合意した。欧州委の正式採択を待って、官報に掲載されてから3日後に発効する予定。ただし、現行の 欧州委員会実施規則284/2012 が10月末で失効することから、11月1日までに発効し、2014年3月31日まで適用される見込み。

今回の会合で、対象12都県の全ての食品と飼料について添付を義務付けてきた放射線検査分析報告書を、福島県以外の11都県については対象品目を限定することで合意。福島県については、アルコール飲料以外(注)の全品目における放射線検査分析報告書の添付が必要であるが、群馬県、茨城県、栃木県、宮城県、埼玉県、東京都、千葉県、神奈川県、岩手県の9都県については、お茶、きのこ類、魚介類、米、大豆、小豆、一部の野草、一部の野菜、一部の果物に対象品目を限定する。山梨県はきのこ類のみについて、静岡県はお茶ときのこ類のみについて放射線検査分析報告書が必要となる。

<全ての酒類が輸入規制の対象外に>
現行規則では、日本酒、焼酎、ウィスキーのみが輸入規制の対象外となっていたが、他のアルコール飲料も含めすべての酒類を輸入規制の対象外とした。理由としてa) 測定できるレベルでの放射能が検出されていないこと、b) 研磨および発酵プロセスにより放射能が大幅に削減されること、c) 日本の当局、輸入している加盟国の当局の手続きの負担を緩和する必要性、を挙げた。

<サンプリング検査の抽出率を一律5%に削減>
現行規則では、対象12都県で産出された全ての食品および飼料について、EUでの通関時に、貨物の少なくとも5%が、また、対象12都県で発送された全ての食品および飼料については少なくとも10%がサンプリング検査の対象となっていた。これは下限を設定するものであったため、加盟国によってはこれらの数字以上の割合でサンプリング検査を実施することも可能だった。

しかし、ここ1年以上、通関時のサンプリング検査において問題があった事例がなかったことから、通関時のサンプリング検査の抽出率を減らすことで合意し、全加盟国・全品目について一律5%と規定した。

11月1日以降は、輸出証明書は新規則の付属書1が有効となる。ただし、新規則の発効日以前に日本を出発した食品、あるいは輸出証明書の発行日が11月1日より前のもので、2012年12月1日より前に日本を出発した食品に関しては、現行規則(欧州委員会実施規則284/2012)の輸出証明書も有効とする。

今後の見直しについて、原発被災後第2収穫期のモニタリング検査結果が明らかでない米、大豆等については、2013年3月に見直しを実施する予定。また、加盟国は3カ月ごとに全ての分析結果を食品および飼料に関する緊急警告システム(RASFF)を通じて欧州委に報告しなければならない。

なお、SCoFCAHにおける委員会実施規則の改正案は European Commission: Comitology Register外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます で閲覧可能。

(注)日本酒、焼酎、ウィスキーは従来対象外であったが、今回の規則案でそれら以外のアルコール飲料も規制の対象外となった。