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サウジ税関が本格的に放射線検査を開始(サウジアラビア)

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2011年4月22日 リヤド事務所発

2011年4月18日から20日にかけて、当地の日系企業数社より、サウジ税関での放射線検査に関する情報が寄せられた。4月20日、リヤド事務所がサウジアラビア商工業省に確認したところ、全製品に対して港湾での検査を開始しているとのことだ。

<ダンマン・ジッダ港で検査開始の情報>
日系企業による情報は以下のとおり。

  • 日系商社A社は、ダンマン港に鋼材を輸送し荷卸しを行おうとしたところ、同港の検査員が放射線測定を行い、放射線量が高いことを理由に通関を拒否された。同社がいったん荷物を積み出し、第三者検査機関の手配を検討していた際に、再度検査員が現れて放射線測定を行い、今度は放射線レベルが低下したとして通関を許可された。
  • 日系商社B社が、ダンマン港の税関長にヒアリングしたところ、日本企業側の検査だけではなく、サウジ税関でも必ず日本からの輸出品に対して検査機器によるスキャンを行い、基準値以上が検出されないかどうか調べることが義務付けられているという説明があった。
  • 日系商社C社は、ジッダ港にアルミニウム・コイルを輸送したところ、サウジ税関より放射線検査を義務付けると通知された。

<商工業省も検査開始を認める>
リヤド事務所が、4月20日、本件を管轄する商工業省品質管理局のハビブ・M・アル・サマド局長にヒアリングしたところ、以下の回答を得た。

問:サウジ税関は放射線検査を開始しているのか。
答:震災後に到着した貨物については、全ての税関ですでに検査を開始している。

問:対象製品は何か。消費財だけではないのか。
答:全製品が対象となる。消費財だけでなく、原材料や部品であったとしても、輸入を認めてしまえば、サウジアラビアで組み立てた完成品に放射性物質が混入することになる。これを避けたいと考えている。

問:検査方法は何か。
答:税関にて、セシウム134とセシウム137を検出できる機器で輸入品をスキャンし、検出の有無を確認している。

問:放射線の許容値や、通関可能な基準値は定めていないのか。
答:定めていない。放射線検査に様々な方法があるのは承知しているが、当国では、上記の人工的にしか発生せず半減期が長い「セシウム134」及び「セシウム137」が検出されるか否かで、通関の可否を判断している。

問:本検査はどの程度の期間続くのか。
答:最低でも1年間は続ける予定だ。その後は日本の状況を見ながら判断する。

問:サウジ税関での検査にあたり、検査料を請求されることはあるのか。
答:当地では検査料の請求は行っていない。当国より、SGSやIntertekといった検査機関に対して、日本の港湾で対サウジ向け輸出品の放射線検査を行うように申し入れているので、日本の港湾においてこれらの検査機関が検査料を請求するケースはあるかもしれないが、サウジアラビアの港湾では料金の請求はないはずだ。

上述のとおり、サウジでの検査が開始されたことは間違いないようだが、その対象となる製品、測定方法及び放射線の許容値などは依然として不明瞭な点が多い。

空港での検査、食品に対する検査の有無については、まだ確認されていない。