日本食品に対する輸入規制を採択(EU)

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2011年4月1日更新 欧州ロシアCIS課発

<福島などからの食品に輸出前の検査を義務付け>
EUは3月24日、福島での原発被災を受けて、日本の一定の地域からの食品および飼料の輸入規制(欧州委員会規則)を決定した。欧州委員会の提案によるものだが、同日開かれた食品チェーンおよび動物の健康に関する運営委員会(SCoFCAH)の会合で、加盟国からも支持された。正式には3月25日のSCoFCAHの会合で採択の予定。

プレスリリース( "Food safety: the EU reinforces controls on imports from Japan"外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます )によれば、福島、群馬、茨城、栃木、宮城、山形、新潟、長野、山梨、埼玉、東京、千葉の計12の都県原産のすべての食品および飼料については、日本を出発前に検査を受けねばならず、EUに輸入するに際しても、抜き取り検査の対象となる。出発前に検査を受けた証拠として、放射性ヨウ素(I-131)、セシウム(Cs-134およびCs-137)の水準がEUの最大許容基準を超えていないことを証明する検査分析報告書、および日本の当局の書名月の証明が必要となる。

また、12の都県以外の35道府県から輸出される食品・飼料についても、原産道府県を示す当局の署名を付した証明を提出することが義務付けられ、こちらもEUで抜き取り検査の対象となる。また、輸入者は、荷物の到着の2日前までに、輸入国当局に対し通知することが義務付けられる。3月11日より前に収穫、加工された食品・飼料については本規制の適用対象とならないが、3月11日より前に収穫、加工されたことを示す申告書を付す必要がある。

プレスリリースによれば、3月11日以降に収穫、加工された食品・飼料の輸入に際し、具体的に適用される措置は以下の通り。

  • 輸入者は、荷物の到着の2日前までに、輸入国当局に対し通知することが義務付けられる。
  • EUへの到着後、当局は書類審査を行う。
    表1:EUでの食品・飼料の通関に必要とされる書類
    対象産品 証明次項 必要書類
    3月11日より前に収獲、加工した食品・飼料 3月11日より前に収獲、加工されたこと 当局の署名付き証明
    12都県以外を原産とする食品・飼料 12都県以外で収獲、加工されたこと 当局の署名付き証明
    12都県を原産とする食品・飼料 EUの放射線量の最高値基準を上回らないこと 当局の署名付き証明、および検査分析報告書

    出所:欧州委員会規則 297/2011 第2条3項、4項

  • 検査分析を含め、製品の検査を実施。上記12都県からの輸入に対しては、少なくとも貨物の10%について検査を行う。残る35道府県については、貨物の少なくとも20%について検査を実施する。
  • 検査結果が出るまで、製品は最大5営業日まで公的管理下におかれなければならない。公的管理の下で問題ないとされたことを輸入者が税関に示せば、製品を市場に出すことができる。
  • 放射性ヨウ素(I-131)、セシウム(Cs-134およびCs-137)の水準がEUの放射線量の最大許容基準を超える製品は市場で流通してはならず、廃棄または日本に返送される。

今回の措置は、 規則178/2002 に基づく措置。同規則第53条は、第三国から輸入される食品・飼料が人間の健康などに深刻なリスクをもたらすおそれがあることが示される場合、欧州委は当該食品・飼料の輸入の停止、(輸入に際しての)特別な条件の設定などの緊急措置を採択するとしている。

同措置については、EUは毎月見直しを行う予定。欧州委員会規則本文は、3月26日の官報で公示された。
COMMISSION IMPLEMENTING REGULATION (EU) No 297/2011

表2:EUの食品における放射線量の最高値基準(単位:該当食品1kgあたりのベクレル)
食品 飼料
ベビーフード
(注1)
乳製品
(注2)
その他食品(主要でない食品以外)(注3) 飲料水
(注4)
放射性ストロンチウム(特にSr-90) 75 125 750 125
放射性ヨウ素(特にI-131) 150 500 2,000 500
プルトニウムと超プルトニウム元素(特にPu-239、Am-241) 1 20 80 20
その他放射性核種の半減期が10日間以上のもの(特にCs-134,Cs-137)(注6) 400 1,000 1,250 1,000 豚:1,250
家禽類、子羊、子牛:2,500
その他:5,000

出所:EU理事会規則(EURATOM)No 3954/87
※許容水準の上限基準が見直されています。 参照: 日本からの輸入食品の放射線検査の許容水準上限を引き下げ(EU)

(注1)乳児が4~6カ月頃に食する食品
(注2)CNコード0401、0402に該当する乳製品(04022911以外)
(注3)「主要でない食品」は欧州委員会規則944/89(944/89/EURATOM)の付属書を参照( Energy: Radiation protection legislation - European commission外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
(注4)CNコード2009(ジュースなど)、CNコード第22類(飲料、アルコールおよび食酢)
(注5)飼料は欧州委員会規則770/90(770/90/EURATOM)の付属書を参照( Energy: Radiation protection legislation - European commission外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
(注6)炭素14、トリチウム、カリウム40はここには含まれない