放射線検査実施も、大きな問題は発生せず(中国)

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2011年3月21日 大連事務所発

(1)進出日系企業に与える影響

<IT(開発)>

  • 被災地に本社がある。本社、関連子会社は3月27日まで帰休。
  • 中国人従業員が本社へ数十名出張していたが、先週早い段階で、全員大連へ帰国。
  • 大連側の業務に特段影響は無い。

<業務用機械器具製造>

  • 一部、日本から部品、材料を輸入している。
  • 現時点では、通常通り生産をしているが、一部の製品では、4月初旬に部品供給が止まる可能性あり。
  • 東北、関東地方にある取引先のうち、地震の影響を直接受けている会社もあり、その復興の進捗状況によっては、諸々影響が長引くことを懸念。
  • 製品の輸出に関しては、問題なし。

(2)その他日本に対する論調、具体的動き

【放射線検査の実施状況】

現地日系物流会社によると、大連では、空港は3月16日から、港は同18日から放射線検査を実施中。船舶については、本船入港前検査(乗組員・本船船体)、および入港後の積載貨物検査を実施している。検査検疫局(CIQ)等から検査基準値の正式な案内はなく、また基準値を超える値が検出された際の貨物の取り扱いに関しても、明確な取り決めが示されていない状況。

大連空港では、20日現在、日本発のすべてのフライトに対して、放射線検査を実施中。特段の問題、また遅延も無く、通常輸入作業を実施中。なお、日系航空会社だけではなく、中国系航空会社も同様の検査が実施されている。

海上貨物については、18日から大連大窯湾検疫局が積載貨物の検査を実施している。対象は船荷証券(B/L)の日付が3月11日(金曜)以降の日本からの全ての輸入コンテナ貨物で、船社コンテナヤードに到着した貨物を、貨物引取り前にコンテナのドアを開けて放射線検査を実施している。CFS貨物の場合は、まず検査し、合格後にコンテナから貨物積み下ろしとなる。

【対日ビジネスに従事する大連IT企業への影響】

大連は、日本のオフショアサービスアウトソーシング拠点として、発展を遂げている。大連ソフトウェア産業協会は地震の発生を受け、日本からのアウトソーシング業務を請け負う企業20数社に対し、今回の地震の影響についてヒアリングを行った。

同協会が3月18日に公表したヒアリング結果によると、短期的な影響として、顧客日本企業とのやり取りに不都合が生じているほか、サーバーアクセスの中断、社員の往来に滞りが出ている。ただし、こういった影響については、早い段階で解消されると大連側では考えられている。

問題となるのは、中長期的な影響である。日本からの既存業務が減少すると予想され、企業の中には、電力供給量減少(計画停電)や放射能汚染の影響も鑑み、東京にある子会社等の営業を停止し、15日頃からIT技術者を大連へ引き上げているところもある。3月17日付の地元紙でも、大手地元IT企業は日本駐在員および短期出張者375名のうち、100名を3月20日までに大連へ呼び戻すという。

一方で、商機として捉えている企業もある。日本国外でのデータセンター設立などの動きがあり、多くの分野で今後、日本からのアウトソーシング業務が増えると考えられている。