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現地日系食品メーカー、現時点では影響なし ‐ 輸入食品業者への影響はこれから(中国)

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2011年3月21日 広州事務所発

<日本食品輸入業者、発注した商品が震災発生日以降日本を出港できず>
3月21日、当地の日系食品メーカー数社にヒアリングしたところ、「現時点では生産、販売とも当面影響なし」との回答を得た。

他方、華南地域における日本食品輸入大手企業に聞いたところ、日本に発注した商品は、震災発生日以降、日本を出港していないという。震災発生日以前に出港した商品はすべて、深セン税関で通関検査、検疫とも通過した。

3月18日、同社の日本側輸出パートナーの1社に聞いたところ、日本を出港できていない事実については把握していないものの、日本国内メーカーの今後の生産態勢について懸念を抱いている。現時点で発生している影響として、例えば、(1)水産品缶詰の中身は製造できても、缶のプルトップ(フタ)を生産する東北の工場がストップ、(2)ペットボトル飲料のフタを生産する東北の工場がストップ、(3)即席めんの具材のかまぼこを生産する東北の工場のストップなどがある。産地を切り替えようとすると原産地表示変更手続きが煩雑、などの理由で、西日本において原料の安全は確保できても生産に対する影響は大きいという。また、日本産食品の台湾向け輸出については、現在生鮮食品は放射能検査を受けているものの加工食品は通常どおりの対応だという。

「羊城晩報」(3月18日)は、広東省検験検疫局は日本産食品の検査を今後強化するが、現時点では震災発生日以降の貨物の輸入申請をまだ受け付けていないという同局担当者のコメントを紹介した。

<日本産粉ミルクの欠品、震災とは無関係>
市民の間で人気の高い日本製粉ミルクは、口蹄疫が収束した後も輸入再開されておらず、欠品は今回の震災とは無関係である。

ある企業は、2010年9月、口蹄疫問題が収束し、日本製粉ミルクが輸入再開とされたものの、実際に中国に輸入できるのは4歳以上用、および妊婦用の製品のみで、需要が最も大きい0~3歳児用粉ミルクは、未だ輸入できないままである。従って今般の市場での欠品は震災とは無関係である。他社の状況も同様だという。

<粉ミルク、香港経由のハンドキャリー品の価格が急上昇>
大陸への輸入が停止している日本製の0~3歳児用粉ミルクは、香港からハンドキャリーした製品が従来横行しているとの見方もある。

「南方都市報」(3月16日)によると、香港=深セン国境の香港側、上水地区にある「晋科中心」は、外国産食品をハンドキャリーで大陸側に運ぶ業者集団の倉庫になっている。ここには震災発生後も大量の日本製粉ミルクが貯蔵されており、倉庫側は売り惜しみにより価格を吊り上げている。震災発生以前は1缶160香港ドルであったものが、現在では190香港ドルにまで値上げされているという。

ネット販売大手の「陶宝(タオバオ)網」に出店している業者は、震災発生以前は新生児~9カ月児用850g入り粉ミルク1缶を218元で販売していたが、震災発生後、わずか一日で258元に値上げした(3月15日付「南方都市報」)。また、ある「陶宝網」出店の業者は、3月12日から14日までの3日間、日本製粉ミルクの売上額が、2011年1月における15日間分の売上に相当したという(「信息時報」(3月16日付))。