部品調達(サプライチェーン)と輸送・電力供給の障害などを懸念(米国)

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2011年3月18日 シカゴ・センター発

当地、新聞報道等が伝える「東北地方太平洋沖地震の米国自動車産業への影響」の主要論点は以下のとおり。

1.日本と米国の経済関係に及ぼす影響

  • 日本からは米国・中国・欧州など世界各地における自動車の生産に不可欠な部品・システムが輸出されており、震災による日本における供給・生産停止は、これらの地域における生産活動に影響を与える可能性がある。
  • 日本からの部品が米国に届くまでには1週間程度の時間がかかるため、3月21日の週から、何らかの影響が出てくる可能性がある。
  • 米国経済に与える影響については、震災によるインフラや関連する産業の施設の被害の状況や原子力発電所の状況等による。今後、被害の状況が明らかになるにつれて、その影響も明らかになると考えられる。
  • 電力供給に支障が発生し、計画停電が実施されている点、道路が寸断されているなど輸送インフラ面での障害がネックとなっている点も生産・出荷の遅れとなり、今後の米国における生産活動に影響を与える。
  • 被害を受けたサプライチェーンの再構築に要する時間も考慮すべき要因。

2.進出日系企業に与える影響

  • 北米で活動する日系自動車メーカーは、日本の部品サプライヤーの生産に支障が生じることにより、部品が不足し、米国における組立ができない状況が発生する可能性を懸念。
  • このため、日系自動車メーカーは、被災地域の状況などを踏まえつつ、日本からの調達が可能な部品、調達困難な部品の見極め作業を行っている。
  • 日産自動車は3月12日、茨城県日立港にて米国向けに出荷を予定していた約1,300台及び宮城サービスセンター(宮城県多賀城市)に保管していた新車約1,000台が、津波により被害を受けたことを発表。
  • トヨタ自動車は3月16日、震災の影響は今のところ限定的であり、北米13工場は通常の操業を行っているが、日本からの部品の在庫を維持するため、オーバータイムの操業を短縮したことを発表。また、ディーラーの在庫については、日本で生産、輸入しているプリウスを含めて十分なレベルにあるとしている。

3.(日本進出の)米国企業が受ける影響

  • 米系自動車メーカーも、日本のサプライヤーから重要部品の供給を受けている関係から、それらの調達に高い関心を示している。しかし、情報が十分に得られていない点を懸念している。
  • GMは3月17日、日本から輸入している部品が不足するため、コンパクト・ピックアップ「シボレー・コロラド」と「GMC・キャ二オン」を生産しているルイジアナ州のシュリーブポート(Shreveport)組立工場の操業を3月21日の週に停止することを発表。現時点では十分な在庫があり、カスタマー・ニーズには応えられるとしている。
  • 米国内のディーラーの中は、日本からの輸入車が予定通りに納入されなければ、在庫不足となることを懸念しているところもあり。

その他

  • 被害を受けた地域では多くの死傷者が出ており、人材面での影響は長期に及ぶ可能性あり。
  • 部品メーカー(特に、精密部品メーカー)において、部品等を生産する機械自体に支障が出ていないかどうか、精度の高い製品を生産可能な状態かどうか、チェックする必要がある場合には、復旧までに比較的長い時間を要する可能性がある。