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多角的繊維協定(MFA)撤廃による南西アジア繊維産業への影響に関する調査

最終更新日: 2004年07月21日

多角的繊維協定(MFA)の撤廃により、2005年に国際繊維貿易は転換期を迎える。MFAは欧米諸国に繊維製品が流入することを防ぐため、輸出国に対し欧米向け輸出数量制限(クォータ)を割り当てたものである。MFAは、2004年末までに段階的に廃止されることになっており、2005年以降の自由競争に向け、各国は新たな取り組みを始めている。

繊維製品・既製服が第1位の輸出品目であるインド(輸出総額に占める割合は21%)やバングラデシュ(同75%)も例外ではない。

インドの繊維産業はGDPの4.5%を占め、間接雇用を含めた雇用者数は約8,000万人とされる。しかし、国際競争力は脆弱で、最新の設備を導入するにも、電力供給が不安定であることやその料金の高さが問題となる。さらにインドの繊維関連企業(事業所)は約900万社とされるが、その6割が小規模企業で設備の近代化が遅れている。

こうした中、政府はMFA廃止を見据えた体制強化を図り、設備近代化を行う企業に対する優遇ローンやアパレル専門工業団地の設立などによる産業強化を目指す。企業も設備近代化や欧米での販売網確保を図っている。

自国の繊維産業の展望については政府、企業とも「設備近代化による大量生産への対応も急務だが、高品質でユニークなデザインの商品を提供できる小規模企業にも勝算はある」と強気の姿勢を見せている。中国との競合も少ないとする意見が強く、MFA廃止を前向きに捕らえている。

バングラデシュの繊維産業は雇用全体の45%(約350万人)が従事する一大産業だが、国内での綿花生産が少ないうえに産業育成のための優遇措置がない。同国産業は各国に割り当てられたクォータ制度の恩恵を受けて成長している経緯もあり、MFA撤廃が同国産業に与える影響は大きい。

繊維産業の展望について、政府はクォータ制廃止後に備え積極的に対策を講じているとしているが、現地企業の大半は悲観的な見方を示している。工場閉鎖による失業増加を懸念する声も多く、政府の積極的な支援が必要と指摘されている。外国企業からは「政府や業界団体には危機意識はあるが、具体策を持っていないのが問題」など政府の政策実施能力に疑問の声も聞かれた。一方、一部の現地企業は「条件が厳しく利用が難しかったクォータ制廃止により米国への輸出拡大を期待する」ともしている。

本報告書では、第1章で繊維・繊維製品の国際貿易に関する取極の変遷を振り返り、第2章では世界の繊維産業の概況を取り上げる。第3〜4章ではインド、バングラデシュそれぞれの繊維産業の現状を確認し、第5〜6章でMFA撤廃後の両国繊維産業の展望を概括する。

発行年月 :2004年3月

作成部署 : 海外調査部アジア大洋州課

総ページ数:55頁

記事番号:05000684

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