欧州産業・企業クロノロジー(2003年1〜6月)(2003年9月)
最終更新日: 2003年09月01日
2003年上半期は、4月の独家電大手グルンディヒの倒産などを除いては、2002年に相次いだ大手企業の倒産や経営危機の表面化は見られなかった。航空関連ではエアバスが年初から次期大型旅客機「A380-800」を含め航空会社からの注文を続々と獲得し、上半期で2003年度の受注目標に迫った。また、自動車関連ではイラク戦争の影響が懸念されたものの、欧州自動車工業会は欧州の自動車業界は全体としてあまり影響を受けなかったようにみえるとのコメントを発表した。このほか、2002年に経営危機が表面化したフィアットグループでは、ジョバンニ・アニェリ名誉会長の死去に伴う弟のウンベルト・アニェリ新会長の就任を経て、6月に大規模な工場閉鎖・人員削減などを含む経営再建策が発表された。
一方で巨額の赤字を計上する企業が相次ぎ、欧州企業として過去最大となるドイツテレコムの246億ユーロを始め、ビベンディ・ユニバーサルが233億ユーロ、フランステレコムが207億ユーロの純損失額を記録した。また、化学・医薬品関連では独ウエラの買収をめぐり米P&Gと独ヘンケルが競合するなど中核事業への集中を図る事業再編が活発に行われた。
以下、2003年1〜6月の主要な産業・企業の具体的な動きを、分野別・月別に掲載する。
(2002年1〜6月の動きについては本誌2002年9月号、2002年6〜12月の動きについては、本誌2003年3月号にそれぞれ掲載。)
シリーズ名:ユーロトレンド
発行年月:2003年9月
作成部署:海外調査部欧州課
総ページ数:30ページ
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記事番号:07000471