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電子商取引(越境EC)における税務上の留意点:タイ

ECサイトを通じ、タイ人向けに自社の製品を販売したいと考えています。この場合における税務上の留意点について教えてください。

販売の対象が物品か、物品以外のもの(電子書籍等)であるかによってタイにおいて課せられる税金は異なります。物品を他国からタイ国内に輸入する際は、関税および付加価値税(Value Added Tax: VAT)が課せられ、さらに特定の物品に対しては、これらに加えて物品税が課せられます。物品以外の場合には、関税や物品税はかかりませんが、VATが課せられる可能性があります。ECサイトの運営形態別に特に留意すべき点について、以下で説明します。

I. タイ国内への輸入

  1. 物品の場合
    タイ国外からタイ国内に物品を輸入する際には、関税およびVATが課せられます。また、特定の物品にはこれに加え物品税が課せられることがあります。
    1. 関税
      関税率は頻繁に変更されますので、輸入通関時点での適用税率を確認する必要があります。
      ジェトロ「世界各国の関税率(World Tafiff)」で最新の関税率をご確認ください。
    2. VAT
      VATは、事業者が事業の過程で創出する付加価値に課せられる税金であり、日本の消費税と同様の税金です。タイにおける生産、商業および消費に使用される物品やサービスに適用され、非居住者から購入する物品やサービスも含まれます。輸入の場合の課税標準は、CIF価格、輸入関税、物品税、特別加算税および勅令規定されるその他の租税または手数料の合計額とされます。輸入者は輸入関税とともにVATを税関へ支払わなければなりません。当該輸入関税が免除されている場合には通関手続完了時にこのVATの納税義務が生じます。税率は7%で、2017年9月以降10%への引き上げが予定されています。
    3. 物品税

      物品税は、国産品か輸入品かにかかわらず、ある特定の物品の販売に対して課せられます。輸入品の場合は、輸入者に対して通関手続時に納税義務が生じます。課税対象の物品・サービスおよび適用税率は下記のとおりです。

      物品・サービス 適用税率(%)
      石油および石油製品 0~36
      一部のノンアルコール飲料 0~25
      一部の電化製品 0~15
      ガラス製品 0~15
      自動車 0~50
      0
      香水および化粧品 0~15
      娯楽サービス、競馬場、レース場、ゴルフ場 0~20
      通信サービス 0
      アルコール飲料 0~48
      タバコ 10~87
      毛織の絨毯 0~20
      オートバイ 0~20
      バッテリー 0~19
      トランプ 2バーツ/100枚または
      30バーツ/100枚
      オゾン層に影響を与える物質 / CFC 0~30

      タバコおよびトランプを除く物品には、物品税に加えて、物品税の10%の内国税が課せられます。タバコやアルコール類などの一部の物品には健康税や公共放送サービス税(TPBS Tax、TV Tax)が課せられる場合があります。

  2. 電子書籍等のデータの場合
    電子書籍等のデータを日本からタイ国内に配信する場合には、関税、物品税は課せられませんが、VATが課せられる可能性がある点に留意が必要です。電子書籍等のデータの配信は、税法上、無形資産(サービス)の提供と見なされます。タイの法律に基づいて設立したタイ法人が電子書籍等のデータを販売・配信した場合には、当然当該タイ法人はVATの納税義務を負います。一方、タイに住所のない外国法人が電子書籍等のデータを販売・配信した場合も、税法上、タイ国でサービスが発生したとみなされて、当該外国法人は代理人などと共同でVATの納税義務を負います。

II. ECサイトの運営形態における留意点

ECサイトの運営形態における留意点を紹介します。
一般的に、ECサイトの運営形態は、大きく分けて4つのケースがあります。現地子会社を設立し、当該現地法人をとおしてECサイトを構築・展開するケース、日本から現地向け自社ECサイトを展開するケース、現地の既存ECモールに出店するケース、日本の既存現地向けECモールに出店するケースです。

  1. 現地子会社を設立し、当該現地法人をとおしてECサイトを構築・展開するケース
    現地子会社が日本を含むタイ国外の法人にECサイトの制作を外注した場合、タイ国外への役務提供サービス料の支払いに対してVATおよび源泉税が課せられる可能性があります。現地子会社はVATについてはPor Por 36、源泉税についてはPor Ngor Dor 54という申告書を使用して申告および納税する義務を負います。ただし、源泉税については各国の二国間租税条約により免除されることがあります。このほか、現地子会社は、タイの国内法人となるため、法人税法や所得税法などタイにおけるすべての税法に従ってビジネスを行う必要があります。
  2. 日本から現地向け自社ECサイトを展開するケース
    既述の内容以外で、特筆すべき税務上の留意点はありません。
  3. 現地法人の運営する既存ECモールに出店するケース
    現地法人に対して、日本法人である出店社は出店料等のサービス料を支払うことになります。タイ国内で提供されたサービスについてはタイのVATが課されます。
  4. 日本法人の運営する既存ECモールに出店するケース
    当該法人に対する出店料等のサービス料に対して日本の消費税が課せられます。

関係機関

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タイ財務省関税局外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

参考資料・情報

ジェトロ:
国・地域別 タイ 税制
貿易投資相談Q&A「小口貨物の通関制度:タイ」
世界各国の関税率(World Tafiff)

調査時点:2017/1

記事番号: C-170202

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