VAT登録の要否:EUで役務(廃品回収業務)を委託する場合

ドイツ向けに家電製品を輸出しています。WEEE指令に対応するため、廃棄製品の回収業務を現地のリサイクル業者に委託しました。委託業者からVAT(付加価値税)登録番号を要求されました。当社はVAT登録が必要ですか。

VAT登録番号とは、特定の加盟国の課税事業者であることを証明する番号です。EU域内で他の加盟国から非課税で商品やサービスを購入する際に用いられ、請求書への番号記載が義務づけられています(EU指令2006/112/EC 第214条、215条)。


EUでは、VATパッケージと呼ばれる制度改正が実施されたことに伴い、2010年1月1日以降、事業者間(B2B)で行われるサービス提供の課税地は、原則として「受益者が事業を営む場所」となりました(EU指令2006/112/EC 第44条、B2Bで行われるサービス提供の課税地の原則ルール)。ただし、最終消費者との取引(B2C)については、従来どおり、「役務提供者が事業を営む場所」が課税地です。
B2BとB2Cとで課税地が異なるため、役務の提供者は、受益者が事業者か消費者かを確認する必要があります。VAT登録番号の通知を求めたのはそのためと思われます。
今回のケースでは、貴社はEUでVAT課税の対象となる取引を行っていないため、VAT登録する必要はありません。
VAT登録番号を有していない旨をリサイクル業者に説明しその上で、貴社が課税事業者であることを証明する他の方法を確認します。例えば、リサイクル業者から必要書類の雛形(課税事業者であることを客観的に判断できるための質問書等)を入手することも一つの方法です。特定のフォームはなく、リサイクル業者自ら現地税理士と相談の上、役務の提供者が所在する加盟国のVAT法への該否を確認する内容である必要があります。
貴社が課税事業者と認められる場合は、受益者が事業を営む場所、すなわち日本が課税地となり、EUのVAT課税の対象外となります。
リサイクル業者のVAT請求に対し、安易に支払うことは避ける必要があります。本来免税となる
VATは還付を受けることができません。


関係法令
Eur-lex:
付加価値税の共通システムに関するEU理事会指令2006/112/EC


※本資料は、日本貿易振興機構(ジェトロ)の委託を受けた税理士法人プライスウォーターハウスクーパース(PwC)が作成しましたが、ジェトロおよびPwCによる法的な見解・助言でないことをあらかじめご了承願います。実際のビジネスに当たっては、本資料のみに依拠せず、別途専門家から助言を受けてください。


調査時点:2013/12

記事番号: P-100606

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