電子部品の分業生産における外資奨励制度:シンガポールとインドネシア・バタム島

電子部品検査用の精密機器をシンガポールとインドネシア(バタム島)で分業生産し、シンガポールから輸出する計画です。バタム島での加工工場設置の可否、シンガポールでの奨励措置などについて教えてください。

バタム島は、インドネシアの自由貿易基地として外資の誘致、奨励を行っています。また、シンガポール、インドネシアは「バタム・ビンタン・カリムン島特別経済地域協力協定」を締結しています。

I. バタム島の外資誘致・奨励策

バタム(Batam)島は、同じリアウ諸島のビンタン(Bintan)島、カリムン(Karimun)島とともに、インドネシアの自由貿易基地としてインフラ整備が行われ、外資誘致・奨励を行っています。これまでにシンガポールや日本など、多くの外資企業がバタム島を保税加工地域として生産・加工拠点を設置しています。生産・加工・検品等の人手を必要とする作業は人件費が比較的安いバタム島で行い、約20kmの至近距離にあるシンガポールへ運ぶのが一般的です。

  1. バタム島への外国投資に与えられる優遇措置
    1. 100%海外資本設立の認可
    2. 海外投資手続きの合理化
    3. 海外投資認可期間30年(延長可能)
    4. 外国人の滞在ビザ、労働許可審査の簡素化
    5. 土地の貸与期間80年(延長可能)
    6. 輸出入手き続の簡素化
  2. 投資インセンティブ
    1. バタム島全島が保税地域に指定されており、機械、設備、部品および原材料に対する輸入税や製品の輸出税が免除されます。
    2. 輸出目的の加工品や消費財には付加価値税(VAT)が課税されません。また、贅沢品に対する販売税も免除されます。ただし、国内の他の非保税地域に販売される製品には10%の付加価値税がかかります。

詳細は文末のウェブサイトを参照ください。
なお、外資奨励制度に基づき、ワンストップ・サービスが実施されています。申請から20日以内に事業の認可が行われます。

II. 統合調達構想

バタム島で生産された一次加工品はフェリーでシンガポールへ運ばれ、精密二次加工・完成品生産が行われ、輸出事業拠点から日本や諸外国などへ輸出されます。2002年4月に締結された米・シンガポール自由貿易協定(USSFTA)では、インドネシアのビンタン、バタム両島で生産された部品を使ってシンガポールから完成品として対米輸出される製品を完全なシンガポール製と認定する統合調達構想(Integrated Sourcing Initiative: ISI)が合意されました。当面はIT関連部品100項目強を対象に、シンガポール原産とすることで合意しています。同構想の対象については、インドネシア各地や他の東南アジア諸国にも段階的に拡大する方針が示されています。

III. バタム・ビンタン・カリムン島特別経済地域協力協定

2006年6月25日、インドネシアおよびシンガポール両国は「バタム・ビンタン・カリムン島特別経済地域協力協定」に署名し、この地域を経済特区(Special Economic Zones: SEZs)として協力することで合意しました。具体的な協力内容として、投資、金融、税務、通関と消費税、入国管理、人材、能力開発の7分野を挙げています。
両国はまた、2007年8月に、バタム全島に加え、ビンタン島とカリムン島内に工業化地域を設け、自由貿易区(Free Trade Zone: FTZ)に指定しました。2009 年、インドネシア大統領直属機関であったバタム工業開発公社(BIDA)は組織を変更し、バタム・ビンタン・カリムン各島に同様の開発組織を設置し、その3組織をリアウ諸島州の傘下に置きました。また、バタムのみを対象としていたBIDA はバタム・インドネシア自由区庁(Batam-Indonesia Free Zone Authority: BIFZA)と名称を変更しました。詳細は文末のウェブサイトを参照ください。

関係機関

バタムセンター(各種投資奨励措置)Investment Facilities/Investment Incentives外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
Riau諸島自由貿易圏 バタム-インドネシア自由区庁(BIFZA: Batam-Indonesia Free Zone Authority)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
シンガポール経済開発庁(優遇と支援政策)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

参考資料・情報

ジェトロ:
シンガポール進出に関する基本的なシンガポールの制度

日本アセアンセンター:
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シンガポール投資案内外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

外務省:
米・シンガポール自由貿易協定(USSFTA)における統合調達構想に関するプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

調査時点:2017/3

記事番号: J-010433

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