1. サイトトップ
  2. 国・地域別に見る
  3. 貿易・投資相談Q&A
  4. 減価償却制度:オーストラリア

減価償却制度:オーストラリア

オーストラリアで製造業を開始する予定です。減価償却制度について教えてください。

オーストラリアの税法上、償却が認められる資産は、「耐用年数が限られており、使用により資産の価値が減額すると無理なく推定できる資産」と定義されます。建物、機械および装置・備品などのほか、ソフトウェア、知的財産権、採鉱・採石・試掘権、特定のウェブサイトへアクセス権、ケーブルシステムの使用権、通信帯域免許、データ放送免許なども含まれます。

I. 減価償却資産の取得原価

取得費に加え関税、印税、運搬費、設置費、デザイン料等、当該資産が使用可能になるまでに要した費用が含まれます。 ただし、所有期間が1年に満たないもの、ビジネス用途では部分的にしか使用しないもの、ビジネスを始める前から所有していたものについては、全額を取得原価とは見做されません。土地、証券は減価償却の対象になりませんが、土地に手を加えたもの(フェンスや構造物)は減価償却の対象です。

II. 減価償却の償却方法

定率法または定額法のいずれかを採用します。 個々の資産について選択することが可能ですが、償却途中の変更は認められません。 2006年5月10日以降に新規取得した減価償却資産については、定率法に基づく耐用年数で除した額へのかけ率が150%から200%へ増加しています。ソフトウェアや知的財産などの無形資産は定額法のみ選択が可能です。

III. 減価償却期間

取得年度あるいは使用可能となった時点から(ビジネス目的で使用している日数/課税対象期間を)日割り按分して計上し、取得原価は耐用年数期間で全額償却されます。耐用年数の計算はTR 2016/1(2001年1月1日以前に取得されたものについてはTaxation Ruling IT 2685)を参照して下さい。査定可能の所得を生ずる300豪ドル以下の少額資産は取得年度に一括償却できます(使用目的の変更が可能)。

IV. 統一減価償却制度(the Uniform Capital Allowance System: UCA)

2001年7月以降、統一減価償却制度が施行され、減価償却資産および資本的支出(設備、ソフトウェア、採鉱・採石設備、知的財産権など)に適用される統一的な規定が導入されました。

納税者は、納税者自身が査定した適切な耐用年数と、税務当局が公表している耐用年数(TR 2016/1または、2001年1月1日以前に取得されたものについてはTaxation Ruling IT 2685)とのいずれかを選ぶことができ、減価の再計算が行われました。耐用年数は、その資産を最初に使用し始めたときから数え、収入を得るための生産目的で使用される年数とされます。

同時に、中小企業に有利な簡易税制(Simplified Tax System: STS)が導入されました。概ね平均年間売上額が200万豪ドル以下の小規模事業者がSTSの適用を受けられ、1,000豪ドル未満(2015年5月から所有されているもの、2017年6月までに使用開始されているものについては2万豪ドル未満)の資産の一括償却が認められます。その他の資産は一括して30%の定率法で、また、新規所有資産は15%の定率法で償却できます。2015年5月12日からは中小企業のフェンス及び給水設備も初年度償却できるようになりました。

また、原則として1,000豪ドル未満の低額資産はlow-value poolとして一括りに償却できます。low-value poolに移された1,000豪ドル未満の低額資産は1年目の調整費用に18.75%、2年目以降の資産の総計には37.5%の償却率が設定されています。

UCAでは乗用車について初期費用の上限が5万7,466豪ドル(2015-2016年度)と定められています。保険やファンドのような金融関連資産については金融商品の原価償却資産および課税(Depreciating Assets and Taxation of Financial Arrangements: TOFA)という異なった費用設定ルールが設けられています。詳しくは文末の原価償却資産ガイド(Guide to Depreciating Assets)を参照して下さい。

V. 耐用年数を再計算し直さなくてはならないケース

資産コストが1収入年に10%以上増加する場合、減価償却資産の耐用年数を再計算しなければなりません。ただし、減価償却中の資産が組織間で移動した場合の耐用年数の再計算は改正法で特別なルールが設定されています。

VI. 耐用年数の再計算が認められないケース

一部の無形資産、また加速償却率を適用している無形資産は償却中の資産の耐用年数の再計算はできません。

VII. 耐用年数を再計算した後の資産の減価償却計算方法

  1. <定率法基礎価額×(所有した日数/365)>×(200%/耐用年数)
  2. <定額法開始調整価額プラス改善費用×(保有日数/365)>×(100%/残存耐用年数)

参考資料・情報

オーストラリア税務当局(ATO):
オーストラリア減価償却資産ガイド(”Guide to depreciating assets 2016”) PDFファイル

調査時点:2016/09

記事番号: J-010421

ご質問・お問い合わせ

記載内容に関するお問い合わせ

貿易投資相談Q&Aの記載内容に関するお問い合わせは、オンラインまたはお電話でご相談を受け付けています。こちらのページをご覧ください。