管理性会社、投資性会社の違い:中国

管理性会社、投資性会社について、設立条件や経営範囲などそれぞれの違いについて教えて欲しい。

管理性会社、投資性会社はいずれも「統括会社」としてよく見られる形式で、通常では外国投資者が、ある地域の複数の関連会社に対し統一的な管理を行い、研究開発、仕入、販売および支援サービスなどを提供するために設立する会社を指します。


管理性会社は多国籍企業地域本部(以下、「地域本部」)の一つの組織形態であり、関連地方法令に基づいて設立されます。


投資性会社は地域本部としてよく見られる組織形態であり、直接「外国投資家が投資により投資性会社を設立・運営することに関する規定」など、国レベルの法令に基づいて設立されます。


現在、中国各地(例えば北京、上海、広州)では管理性会社または投資性会社による地域本部の認定申請を奨励しており、地域本部に認定された管理性または投資性会社に対し、多くの政策上の支援、助成金、および奨励金を与えています。


I.管理性会社の設立条件及び経営範囲について
1.管理性会社の設立条件
現在、地域本部の認定申請を行わない管理性会社に関しては、各地方はその設立条件について直接の規定を設けていません。地域本部の認定申請を行う管理性会社に関しては、各地では、通常、親会社の資産規模、親会社の中国における投資状況、親会社が管理性会社に授権して管理を行う中国国内外企業の数、管理性会社の登録資本などの面からその条件を定めています。上海にて地域本部の認定申請を予定している管理性会社を設立する場合を例に挙げれば、主に以下のとおりとなります。

  1. 親会社の資産総額は4億ドルを下回らない。
  2. 親会社の中国国内における投資の払込み済み登録資本の累計総額が1,000万ドルを下回らず、かつ親会社が管理を授権する中国国内外企業が3社を下回らない。または親会社が管理を授権する中国国内外企業が6社を下回らない。
  3. 管理性会社の登録資本は200万ドルを下回らない。
    北京にて地域本部の認定申請を行う予定の管理性会社を設立する場合の条件は上海の条件と類似していますが、広州にて地域本部の認定申請を行う予定の管理性会社を設立する場合の条件は業種に応じて異なります。


2.管理性会社の経営範囲
管理性会社の経営範囲として申請・取得できるのは、親会社が投資した企業および関連会社のために行う以下のサービス提供に関してです。

  1. 管理、方針決定、研究開発、資金と財務管理、物流、販売、企画、コンサルティング、研修およびグループ内の共有サービス
  2. 国外の会社からのサービスアウトソーシングなどの関連サービス

具体的な経営範囲の記述については、事前に所在地商務部門および工商部門に確認することをお勧めします。


II.投資性会社の設立条件及び経営範囲について

1. 投資性会社の設立条件
「外国投資家が投資により投資性会社を設立・運営することに関する規定」によれば、中国において投資性会社の設立を申請する場合、以下の条件を満たさなければなりません。

  1. 申請前の一年間における親会社の資産総額が4億ドル以上であり、かつ既に中国国内で外商投資企業を設立しており、その実際に払い込んだ登録資本の累計出資額が1,000万ドルを超えていること。または親会社は中国国内ですでに10社以上の外商投資企業を設立しており、その実際に払い込んだ登録資本の累計出資額が3,000万ドルを超えていること。
  2. 合弁方式で投資性会社を設立する場合、中国投資者は資産信用状態が良好であり、申請前の一年間における投資者の資産総額が1億元を下回らないこと。
  3. 投資性会社の登録資本が3,000万ドルを下回らないこと。


投資性会社が商務部の認定する国家級地域本部を申請する場合、以下の条件を満たさなければなりません。

  1. 払い込み済み登録資本が1億ドルを下回らないこと。または払い込み済み登録資本が5,000万ドルを下回らず、申請前の一年間におけるその投資先企業の資産総額は30億元を超え、且つ利益総額は1億元を下回らないこと(連結財務諸表に関する規定に従い計算する)。
  2. 投資性会社の登録資本のうち少なくとも3,000万ドルは、それが投資して新たに設立する外商投資企業への出資、またはその親会社あるいは関連会社がすでに投資設立した外商投資企業(法に従い持分譲渡手続きを完了済み)の未払い出資額への出資あるいは増資部分への出資、研究開発センターなどの機構設立への投資、または中国国内にある会社の株主の持分の買取りに使用しなければなりません(投資性会社の親会社またはその関連会社が払込み済みの出資額により形成される持分は含まない)。
  3. 関連規定に基づき、すでに研究開発機構を設立していること。
    投資性会社が北京、上海、広州などの地域が自ら認定する地域本部としての申請のみを行うのであれば、満たさなければならない条件は、通常、上述の条件より大幅に低いものとなります。


例えば、上海において設立した投資性会社は、上海の地域本部として直接申請することができますが、商務部の認定する国家級地域本部として申請する場合には、上述の条件を満たさなければなりません。


2. 投資性会社の経営範囲
投資性会社が従事できる業務は、管理性会社が従事できる業務よりも大幅に多くなり、その経営範囲には以下の内容が含まれます。

  1. 国が外商投資に許可している分野において法に従って投資すること。
  2. 投資先企業の書面による委託(董事会の全員一致の決議を経たもの)を受けて、投資先企業に以下のサービスを提供すること。
    1. 投資先企業に協力し、または代行して、関連する仕入、販売、およびアフターサービスなどを行うこと。
    2. 投資先企業の間における外貨バランスをとること。
    3. 投資先企業のために技術サポート、従業員研修、および企業内部人事管理などのサービスを行うこと。
    4. 投資先企業に協力して融資元の選定および担保の提供を行うこと。
    5. 国内外市場において、取次販売方式で投資先企業が製造した製品を販売すること。
    6. 投資先企業のために輸送、倉庫保管などの総合サービスを提供すること。
  3. 中国国内で科学研究開発センターまたは部門を設立し、新製品およびハイテク技術の研究開発に従事し、その研究開発成果を譲渡するとともに、相応する技術サービスを提供すること。
  4. 親会社にコンサルティングサービスを提供し、関連会社に投資に関連するコンサルティングサービスを提供すること。
  5. 親会社及び関連会社からのサービスアウトソーシング業務を請け負うこと。
  6. 貨物の輸出入または技術の輸出入に従事すること。
  7. コミッション代理、卸売、小売およびフランチャイズ経営に従事すること。
  8. 国外企業からのサービスアウトソーシング業務を請け負うこと。
  9. 代理、取次販売または輸出調達機構(内部機構を含む)設立の方式により国内商品を輸出し、関連規定に基づいて輸出税還付手続きを行うこと。
  10. 投資先企業が製造した製品を購入してシステムインテグレーションを行った後に国内外で販売し、投資先企業が製造した製品がシステムインテグレーションの必要を完全に満たすことができない場合は、そのシステムインテグレーションの付随製品を国内外から仕入れること。ただし、購入するシステムインテグレーションの付帯製品の価値はシステムインテグレーションに必要とする全製品価値の50%を超えてはならない。
  11. 投資先企業の製品の国内取次販売店、代理店および投資性会社、その親会社またはその関連会社と技術譲渡契約を締結した国内の会社、企業のために、関連する技術研修を提供すること。
  12. 投資先企業が製造を開始する前または投資先企業が新製品の製造を開始する前に、製品市場開発を目的として、関連製品を輸入し、国内で試験販売を行うこと。
  13. 投資先企業のために機器および事務設備のオペレーティング・リースサービスを提供し、または法に従ってオペレーティング・リース会社を設立すること。
  14. その輸入する製品にアフターサービスを提供すること。
  15. 国外請負工事経営権を有する中国企業の国外工事請負に参与すること。
  16. 国内で投資性会社が輸入した親会社の製品を販売すること(小売を含まない)。
  17. 国内のその他の企業に委託してその製品または親会社の製品の製造/加工を行い、国内外で販売すること。
  18. 多国籍企業およびその持株を支配している関連会社の製品の輸入及び国内販売(小売を含まない)を行うこと。
  19. 投資先企業、多国籍企業の製品へのメンテナンスサービスの提供に必要な原材料、補助材料及び部品、付属品を輸入すること。
  20. 国内企業からのサービスアウトソーシング業務を請け負うこと。
  21. 物流発送サービスに従事すること。
  22. 中国銀行業監督管理委員会の許可を受けて財務会社を設立し、投資性会社およびその投資先企業に関連財務サービスを提供すること。
  23. 商務部の許可を受けて国外工事請負業務および国外投資に従事すること。
  24. 商務部の許可を受けてファイナンスリース会社を設立した上での関連サービスの提供、または直接オペレーティング・リースおよびファイナンスリース業務への従事を行うこと。
  25. 国内のその他の企業に委託して製品の製造または加工を行い、国内外で販売すること。製品全てを国外に販売する委託加工貿易業務に従事すること。
  26. 財務センターまたは資金管理センターの職能を行使し、外貨管理機関の許可を受けて、国内の関連会社の外貨資金に対し集中管理を行うこと。また、国内の銀行にオフショア口座を開設して国外の関連会社の外貨資金および国内の関連会社が外貨管理機関の許可を受けて国外貸付に用いる外貨資金を集中管理すること。


上記経営範囲のa、b-i.〜iv、c〜hの場合、投資性会社は設立時に申請取得することができます。上記経営範囲のb-v.~vi.、i~qの場合、投資性会社は設立後、法に従って経営し、違法記録がなく、登録資本を定款で取り決めた期日どおりに払込み、投資者が実際に払い込んだ登録資本金額が3,000万ドルを下回らず、かつ定められた用途に使用した後に申請・取得することができます。上記経営範囲のr~zの場合、投資性会社は商務部から国家級地域本部の認定を受けた後に申請・取得することができます。


管理性会社または投資性会社を選択し設立する場合、設立を予定する統括会社の機能、経営範囲、および設立条件などの要素を総合的に考慮した上で判断する必要があります。


関係機関
中国商務部外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
上海市商務委員会外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
北京市商務委員会外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
広東省商務庁外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます


関係法令
外商投資により投資性会社を設立・運営することに関する規定(商務部令2004年第22号、2004年12月17日施行)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
外商投資により投資性会社を設立・運営することに関する補充規定(商務部令2006年第3号、2006年7月1日施行)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
上海市による多国籍企業の地域本部設立の奨励に関する規定(滬府発〔2011〕98号、2011年12月19日施行)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
上海市商務委員会等八部門の『上海市による多国籍企業の地域本部設立の奨励に関する規定』の実施意見を上海市人民政府弁公庁が転送する旨の通知(滬府弁発[2012]51号、2012年8月8日施行)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
多国籍企業の北京における地域本部設立の奨励に関する若干規定(京政発[2009]15号、2009年1月1日施行)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
多国籍企業の北京における地域本部設立の奨励に関する若干規定についての実施弁法(京商務資字[2009]351号、2009年6月24日施行)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
広州市人民政府による本部の経済発展の加速に関する実施意見及び付帯文書の公布についての通知(穂府[2013]14号、2013年6月15日施行)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます


調査時間:2014/10

記事番号: C-141201

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