フランチャイズ店舗展開:中国

中国でフランチャイズ・ビジネスへの投資を検討しています。フランチャイズに関する規定や留意点などを教えてください。

I. フランチャイズ・ビジネスの概要
1. フランチャイズの概念
フランチャイズとは、登録商標、企業ロゴマーク、特許、専有技術などの経営資源を有する企業(フランチャイザー(主宰者、本部))が、契約により、他者(フランチャイジー(加盟店))にその経営資源を使用させ、フランチャイジーは契約に従い統一された経営モデルに従い経営を行い、フランチャイザーに対しフランチャイズ料を支払う経営活動です。フランチャイザーになることができるのは企業に限定されます。「外商投資産業指導目録」では、フランチャイズは制限類に属します。

2.フランチャイザーの条件
フランチャイザーになるには、下記の条件を備えていなければなりません(「商業フランチャイズ管理条例」第7条)。

  1. 成熟した経営モデルを有していること
  2. フランチャイジーのために経営指導、技術サポートおよび業務研修などを継続して提供する能力を備え、2店舗以上の直営店を有し、経営期間が1年を超えること

また、直営店が国外にある場合、フランチャイザーは直営店営業証明(中国語の翻訳文を含む)を提出し、直営店所在地で公証を受け、同地の中国大使館または領事館で認証を受ける必要があります(「商業フランチャイズ届出管理方法」の規定および商務主管部門の実務取り扱い)。


II. フランチャイズ契約
1. フランチャイズ契約書
フランチャイズを営むには、フランチャイザーとフランチャイジーが、下記内容を含むフランチャイズ契約を書面により締結する必要があります。フランチャイズ契約書は商務主管部門に届出ます。

  1. フランチャイザー、フランチャイジーの基本情況
  2. フランチャイズの内容、期間
  3. フランチャイズ料の種類、金額及び支払い方法
  4. 経営指導、技術サポートおよび業務研修などの具体的内容とその提供方法
  5. 商品もしくはサービスの品質、品質基準と品質確保のための措置
  6. 商品もしくはサービスの販売促進と広告宣伝
  7. フランチャイズに関わる消費者保護と賠償責任の負担
  8. フランチャイズ契約の変更、解除と終了
  9. 違約責任
  10. 紛争解決方法
  11. その他事項


2. 情報開示義務
フランチャイザーは、フランチャイズ契約締結30日前までにフランチャイジーに対し下記の情報を書面により提供しなければなりません

  1. フランチャイザーの名称、住所、法定代表者、資本金、経営範囲およびフランチャイズ経営の基本情況
  2. フランチャイザーの登録商標、企業ロゴマーク、特許、専有技術および経営モデルの基本情況
  3. フランチャイズ料の種類、金額と支払い方法(保証金徴収の有無および保証金の返還条件と返還方法を含む)
  4. フランチャイジーに対し商品、サービス、設備を提供する価格と条件
  5. フランチャイジーに対し提供する経営指導、技術サポート、業務研修等の内容、提供方法および実施計画
  6. フランチャイジーの経営活動に対し実施する指導、監督の具体的方法
  7. フランチャイジーに対する投資予定額
  8. 現時点での中国国内のフランチャイジーの数、分布地域および経営状況に関する評価
  9. 会計士事務所が監査した最近2年間の財務会計報告および監査報告の各概要
  10. フランチャイズ関連の訴訟と仲裁についての最近5年間の情況
  11. フランチャイザーおよびその法定代表者に関する重大な違法経営記録の有無
  12. その他国務院商務主管部門の規定する情報


3.具体的な審査手続きの留意点

  1. フランチャイザーはフランチャイズ契約締結の日から15日以内に商務主管部門に届け出なければなりません。
  2. 省、自治区、直轄市の各地域内でフランチャイズを行う者は、所在地の省級人民政府商務主管部門に届け出なければなりません。
  3. 省、自治区、直轄市の地域を越えてフランチャイズを行う者は、商務部に届け出なければなりません。
  4. フランチャイザーが商務主管部門に届け出ない場合、商務主管部門から1万元以上5万元以下の罰金が科せられ、期限付きの届出を命じられます。期限を過ぎても届出をしない場合、5万元以上10万元以下の罰金が科せられ、公告に記載されます。


4.フランチャイザーが商務主管部門に届け出るに際しては、以下の書類、資料を提出しなければなりません。

  1. フランチャイズ基本情況
  2. 中国におけるすべてのフランチャイジーの店舗分布情況
  3. フランチャイザーの市場計画書
  4. 企業法人営業許可証またはその他の主体資格証明書
  5. フランチャイズに関する商標権、特許権およびその他の経営資源の登録証書
  6. フランチャイザーが少なくとも2つの直営店を有し、かつ経営期間が1年間を超えていることを証明することができる文書(2007年5月1日までに既にフランチャイズ経営に従事していたフランチャイザーがフランチャイズ届出書類を提出する際には、本規定は適用しない)
  7. 中国国内のフランチャイジーと締結した最初のフランチャイズ契約書
    フランチャイズ契約書見本
  8. フランチャイズ取扱いマニュアルの目次(各章・節の頁数およびマニュアルの総頁数を明記しなければならず、フランチャイズシステム内部サイトでこの種のマニュアルを提供する場合は、印刷時の予測される頁数を提供しなければならない)
  9. 国の法律法規が規定する許可を経なければフランチャイズが展開できない製品およびサービスについては、関係主管部門の許可文書を提出しなければならない。外資系企業は「外商投資企業批准証書」を提出しなければならず、「外商投資企業批准証書」の経営範囲に「フランチャイズ方式により商業活動に従事する」との項目が含まれていなければならない
  10. 法定代表者の署名捺印を経たフランチャイザーの承諾書
  11. 届出機関が必要と認めるその他の資料


以上の文書が中国国外で作成された場合、所在国の公証機関による公証(中国語翻訳付)を経た上で所在国の中華人民共和国大使・領事館の認証を受けるか、中華人民共和国と所在国との間で締結された関係条約に定められた証明手続きを履行しなければなりません。香港、マカオ、台湾地区で作成された場合、「該当地区の関係機関」の証明手続きを履行しなければなりません。


商務主管部門はフランチャイザーの提出した書類、資料を受け取った日から10日以内に届出を受理し、フランチャイザーに通知しなければなりません。フランチャイザーが提出した書類、資料に不備がある場合は、商務主管部門は7日以内に書類、資料を補充するよう要求できます。


III.留意点

  1. フランチャイジーの利益を保護するため、フランチャイジーの同意がなければ、フランチャイズの期間は3年を下回ってはなりません(「商業フランチャイズ管理条例」第13条)。フランチャイジーは、フランチャイズ契約締結後一定期間内に一方的に契約を解除できる旨を定めなければなりません。
  2. フランチャイザーは毎年3月31日までに、前年度に締結、取り消し、終了、更新されたフランチャイズ契約の状況を届出機関に報告しなければなりません。
  3. 投資者が外資系企業を設立してフランチャイズに関わる場合は、商務部が直接、審査承認します。


関係政府
中国商務部


関係法令
中国中央人民政府:
商業フランチャイズ管理条例(中国国務院令第485号、2007年5月1日施行)
商業フランチャイズ届出管理方法(中国商務部令2011年第5号、2012年2月1日施行)
商業フランチャイズ情報開示管理弁法(中国商務部令2012年第2号、2012年4月1日施行)
国家発展及び改革委員会:
外商投資産業指導目録(2011年修正)


調査時点:2013/12

記事番号: C-131205

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