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営業税から増値税への移行試験:中国

中国政府は上海で営業税から増値税への移行試験を行ったということですが、どのような状況でしょうか。

中国が1994年に税制改革を行った際、当時は立法上の技術的な問題に直面し、物品とサービスをすべて増値税の課税範囲に組み入れることは実現しませんでした。現在、企業所得税の一本化および増値税の転換などを終え、改めて営業税と増値税の2つを一本化する改革(増値税は残し統一課税し、営業税を廃止する)がタイムテーブルに加えられ、全国規模で移行試験が行われています。


I. 移行試験の時期と場所
2012年1月1日:上海市にて移行試験開始。
2012年8月1日:北京、江蘇、安徽、福建、広東、天津、浙江、湖北などの8つの省市。
2013年8月1日:移行試験の地域が全国範囲まで拡大。


II. 移行試験対象となる業種

    1. 交通運輸業(陸上輸送サービス、水上輸送サービス、航空輸送サービス、パイプライン輸送サービスを含む)
    2. 一部現代サービス業(研究開発・技術サービス、情報技術サービス、文化創意サービス、物流補助サービス、有形動産リースサービス、鑑定・証明コンサルティングサービス、ラジオ・映画・テレビサービスを含む)
    3. 郵政業(郵政一般サービス、郵政特殊サービス、その他郵政サービス)
    4. 電信業(基礎電信サービス、付加価値電信サービス)


III. 増値税の税率
それぞれ以下の税率が適用されます。

    1. 有形動産のリース(例えば、遠海輸送の船舶のみのリース、航空輸送の航空機機体のみのリース業務):17%
    2. 交通運輸業、郵便業など:11%
    3. 基礎電信サービス:11%
    4. 付加価値電信サービス:6%
    5. その他の一部現代サービス業:6%


サービスの輸入については中国国内での段階では増値税が徴収され、サービスの輸出についてはゼロ税率あるいは免税となる制度があります。


IV. 課税方法
増値税一般課税方式と増値税簡易課税方式に分けられます。
また、納税者の税額計算は原則として課税取引で取得した全収入に基づき計算されます。
納税者別にみると、一般納税者(一般納税者の資格認定を取得する必要がある)については一般課税方式が適用され、小規模納税者については簡易課税方式を適用して税額を計算します。


1. 増値税一般課税方式
納税額=当期売上税額−当期仕入税額で、当期の売上税額が当期の仕入税額を下回り、控除するのに不足する場合、その不足分は次期に繰り越され引き続き控除することができます。
適用業種:交通運輸業、郵便・電気通信業、現代サービス業、文化スポーツ業(例えば、ラジオ放送サービス、映画・テレビ放送サービス)、無形資産の譲渡等


2. 増値税簡易課税方式
納税額=売上高×徴収率(3%)となります。
適用業種:生活関連サービス業(例えば、飲食業、クリーニング業、理容美容業、再生資源回収業における小規模納税者)


V. 過渡的支援政策
営業税から増値税への移行試験の過程で、一部の試験企業では税負担が増加する状況が生じ、税負担を軽減するという税制改革の原則に反する状況が生まれました(例えば、コンサルティングサービス企業には控除できる仕入税額が無い)。
そこで、2012年1月1日から、上海市の財政部門は税負担の増加した試験企業に対し、「企業は現況どおりに申告を行い、財政部門が支援の仕分けを行い、資金を随時補填する」方法で過渡的財政支援政策を実施しています。なお、現時点の処理方法は以下のとおりです。
1.財政局は企業の月次の税負担の増加の大小に応じて、財政支援を享受できる企業の範囲を個別に確定します。当初は財政支援を享受できる企業は月次の税負担の増加が1万人民元以上の企業でしたが、現在実務において、1万元という制限は取り消され、すなわち営業税から増値税への移行により税負担が増加した場合、財政支援を享受できます。
2.財政局が確定した企業の財政支援の範囲に基づき、税務局は条件に合致する移行試験対象企業の提出した資料を審査し、そのデータを財政局に提出します。
3.財政局は「年度毎に事実に基づき審査補填する」という原則に基づき、条件に合致する移行試験対象企業の年間税負担増加額について、全額を財政支援資金から補填します。
4.財政支援資金は財政局より直接企業へ支給されます。
  

関係機関
中国財政部
中国国家税務総局
上海市財政局
上海市国家税務局・地方税務局


関係法令
中国国家税務総局:
「営業税から増値税への移行試験方案」の発布に関する通知(財税[2011]110号、2011年11月16日施行)
「財政部、国家税務総局の鉄道輸送および郵政業を営業税から増値税への移行試験対象とすることに関する通知」(財税[2013]106号、2014年1月1日施行)およびその別紙1「営業税から増値税への移行試験の実施弁法」、別紙2「「営業税から増値税への移行試験の関連事項の規定」、別紙3「「営業税から増値税への移行試験の過渡的政策に関する規定」、別紙4「課税サービスが増値税ゼロ税率と免税政策を適用することの規定」
上海市国家税務局・地方税務局:
営業税から増値税への移行試験に伴う過渡的財政支援政策の実施に関する通知(滬財税〔2012〕5号、2012年1月1日施行)


調査時間:2014/10

記事番号: C-130302

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