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加工食品の現地輸入規則および留意点 :タイ向け輸出

質問

タイ向けに加工食品を輸出する際の現地輸入規制と留意点について教えてください。

回答

タイに輸入される食品は、すべてタイ保健省所管の食品法に従う必要があります。食品法に基づく規則が保健省や食品医薬品局(Food and Drug Administration: FDA)の告示で通達されています。FDAは、食品の安全性確保に係る中心的な役割を担い、食品の製造、販売、輸入の基準策定、許認可等を監督しています。

I. 食品の分類

食品法では、食品を、1. 特定管理食品(7品目)、2. 品質規格管理食品(41品目)、3. 表示管理食品(12品目)、4. 一般食品(上記品目以外)の4グループに分類し、それぞれ製造、販売に関する認可申請手続き、衛生管理、ラベル表示に関する規則を定めています。そのため輸出しようとする加工食品が上記の4種類のどれに属するのかを調べる必要があります。分類定義が明確でないので、製造者や輸出者が独自に判断せず、必ず輸入者を通じてFDAの判断を仰いでください。 なお、食品の分類と手続きについては、「タイにおける食品輸入規制及び手続等ガイドブック」をご参照ください。

他の行政機関として、動物伝染病予防法、植物検疫法及び植物品種法に基づく農産物から加工食品に及ぶ食品の安全管理を行う農業・協同組合省(Ministry of Agriculture and Cooperatives: MOAC)、輸出入管理法に基づく食品の輸出入禁止・制限品目の指定を行う商務省(Ministry of Commerce: MOC)、放射能、遺伝子の分析と証明書発行に関わる科学技術省(Ministry of Science and Technology: MOST)があります。

II. 輸入手続き

  1. 輸入者要件
    食品の輸入業者は、「タイ王国への輸入および仕入許可証(Orr. 7)」を取得している必要があります。
  2. 輸入品目の事前登録
    1. 食品登録番号の取得
      食品の輸入に先立ち、食品グループ1、2、3の場合、食品の製造・輸入業者はFDAから食品登録番号(通称:オーヨーマーク)を取得する必要があります。
    2. 食品調理法登録
      食品の分類や加工の程度によっては、食品調理法を登録する必要があります。
    3. GMP証明書

      保健省告示No.193、改正版239号、318号の「食品製造方法、製造用具及び保存方法を規定する食品」58品目については食品登録番号申請時や輸入時に製造国側の適正製造規範(Good Manufacturing Practice: GMP)証明書が必要です。

      ※1.対象58品目については、文末の「2016年度 日本からの農林水産物・食品輸出に関する各国・地域の制度調査(タイ)」をご参照ください。
      ※2.国際的な承認機関からのGMP証明書を取得していない日本の食品製造業者は、CODEX、HACCP、ISOおよびこれらと同等の“Food Qualities Assurance System”による証明書(例えば、製造場所のある都道府県の保健所からの営業許可証)でも代替可能といわれています。

  3. 事前確認
    食品分類を含め、輸入手続きや衛生規則などは、FDA食品管理部に事前に確認することが望ましいです。問い合わせ先はFDA内のワンストップ・サービスセンター(OSSC)です(文末参照)。

III. 輸入のための許可要件

食品の衛生規則は随時、保健省の告示として通達されています。加工食品に関連する主な衛生規則は、文末の「2016年度日本からの農林水産物・食品輸出に関する各国・地域の制度調査(タイ)(2017年2月)」を参照下さい。

IV. 表示方法

  1. 一般食品
    保健省告示367号「包装食品のラベル表示について」(2014年)において、例外を除き、すべての食品は定められた事項を表示することが義務付けられています。「特定管理食品」、「品質規格管理食品」や「表示管理食品」などの管理食品と、「一般食品」では義務表示項目が異なりますが、タイ語と外国語併記による表示、またはタイ語のみによる表示が義務付けられています。
    加工食品で、「一般食品」に該当する場合は、 以下の項目を表示します。
    1. 食品名
    2. 輸入者の名前、住所、製造国名、製造業者名
    3. メトリック法による食品の正味重量
    4. 製造年月日(年月)、賞味期限(品質保持期限)
  2. 一般食品以外
    「一般食品」以外の食品では、以下の表示が義務付けられています。
    1. 食品名
    2. 輸入者の名前、住所、製造国名、製造業者名
    3. メトリック法による食品の正味重量
    4. 製造年月日(年月)、賞味期限(品質保持期限)
    5. 食品登録番号、主要成分、「保存料使用」「天然着色料使用」あるいは「合成着色料使用」「…を調味料として使用」(調味料の名前を記載)「….を砂糖の代わりに使用」(甘味料の名前を記載)などの表示、必要に応じて適切な保存方法、調理法などの表示が必要になります。
    6. 乳幼児あるいは特定の者を対象とする食品では、必要な注意書きまたは使用方法、その他FDAが告示で指定した食品の場合はFDAが規定した表示が必要となります。
      なお、特定管理食品、大臣が規定したその他の食品の表示はFDAの検査を受け、事前に使用許可を得る必要があります。
  3. その他の表示規則
    遺伝子組み換え食品の表示(保健省告示No.251)や「乾燥剤を含む」の表示(保健省告示:No.244)などがあります。また、栄養成分については任意表示ですが、表示する場合は栄養成分表示に関する保健省告示No.182(1998年)、およびNo.374(2016年)に従って表示する必要があります。

V. 品目別輸入手続きについて

  1. コメ加工品(HS1904)
    コメ加工品の輸入の場合、ビタミン添加米、赤飯などの他の原材料とともに調理した米飯および冷凍調理加工米飯は、FDAの分類で「品質規格管理食品」扱いとなるため食品登録番号の事前取得が必要で、製造国のGMP証明書が必要になります。
    無菌包装調理米は「一般食品」の扱いで、食品の輸入業務許可書のみで輸入できます。
  2. 野菜加工品(HS2001〜2006)
    冷凍の野菜加工品については、製造国でのGMP証明書を輸入前の食品登録番号取得の際に求められます。
  3. 果実加工品(HS2007〜2009)
    冷凍の果実加工品や缶詰などの密閉容器に詰められた果実・飲料については、製造国でのGMP証明書を輸入前の食品登録番号取得の際に求められます。
  4. 乳製品(HS0401〜0406、HS2105)
    食品法上アイスクリーム、チーズ、バターおよびマーガリンなどは「品質規格管理食品」に分類され、事前に食品登録番号の取得のほか、申請時には製造国からのGMP証明書が必要になります。
  5. 食肉および食肉加工品 (HS0201〜0210、HS1601〜1603)
    ハム、ソーセージ、ベーコン等の畜産加工品は日本からの輸出に際し「家畜伝染病予防法」の下に動物検疫の対象となりますので、事前に農林水産省動物検疫所に相談・確認して下さい。また、同畜産加工品は「表示管理食品」に分類され、事前に食品登録番号の取得のほか、製造国からのGMP証明書が必要になります。
    日本の厚生労働省が定める、「対タイ輸出牛肉取扱要領」に基づき処理された牛肉は、「一般食品」に分類され輸入可能です。
  6. 卵白粉末

    卵白粉末は「一般食品(General Food)」に該当し、輸入許可書申請をFDAの食品管理課(Food Control Division)へ申請し、事前に許可を取得する必要があります。

    卵白の加工の度合いや殺菌処理の方法などにより、農林水産省動物検疫所による輸出検疫が必要な場合もあるので、タイでの許可を取得する際に、確認を取っておくことよいでしょう。

  7. 茶(HS0902)
    茶は貿易管理法上、関税割当品目となっており、関税割当制度が適用され、事前の輸入許可が必要となります(商務省外国貿易局)。また、食品法では「品質規格管理食品」に分類され、事前に食品登録番号の取得、製造国からのGMP証明書が必要になります。
  8. 水産品および水産加工品(HS0301〜0307、HS1604〜1605)
    タイでは食品衛生上、フグおよびそれを含む食品については販売・輸入が禁止されていますが、それ以外の水産物、水産加工品については日本からの輸入は可能です。また、水産物は概ね「一般食品」に分類されます。他方、水産加工品はその種類と加工の程度により、「一般食品」以外に分類されることが多く、事前に食品登録番号の取得のほか、分類により食品調理法登録、また製造国からのGMP証明書が必要になります。
  9. 菓子
    菓子類は分類により関税率が異なるため、事前に輸入者を通じてサンプルを税関に提出し、HSコード、関税率を確認することをお奨めします。
    食品グループとして、チョコレートは品質管理食品、チューインガム、キャンディ、砂糖菓子、ビスケット、パン、ケーキ、ワッフル、ウェハース菓子、米等の穀物菓子は表示管理食品に分類されています。事前に食品登録番号の取得のほか、製造国からのGMP証明書が必要になります。

VI. 輸入通関手続き

貨物受け取りの際、輸入者は以下の書類を提出します。

  1. 輸入申告書
  2. インボイス
  3. パッキングリスト
  4. 船荷証券(B/L)もしくは航空貨物運送状(Air Waybill)
  5. 輸入申告全額が50万バーツを超える場合は外国為替取引申告書
  6. 通関細目リスト(税関書式No.170)
  7. 貨物受渡し書(税関書式100/1または469)
  8. 保険料請求書
  9. 輸入管理品目または輸入許可品目の場合、関連省庁の発行する輸入承認書
  10. 特定原産地証明書(該当する場合)
  11. 輸入品(貨物)の税関用説明資料(カタログ等)

VII. 関税、その他諸税

  1. 日本タイ経済連携協定(JTEPA)
    2007年11月に日タイ経済連携協定(JTEPA)が発効し、商品により特恵関税が適用されます。JTEPA税率を適用するためには、原産地規則および積送基準を満たす必要があります。また、日本からの特定原産地証明書が必要です。関税率については文末の「ジェトロ・世界各国の関税率(World Tariff)」を参照してください。
  2. 付加価値税(VAT)
    輸入額と関税 の合計に付加価値(VAT)7%が課税されます。

VIII. 原発事故に伴う規制

2011年3月11日に発生した原子力発電所事故によるタイへ輸出される日本産食品規制は、野生動物肉を除き2015年5月1日から全て解除されました。

関係機関

保健省(Ministry of Public Health)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
保健省食品医薬品局(Food and Drug Administration)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
食品医薬品局内ワンストップセンター外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
商務省(Ministry of Commerce)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
在日タイ大使館外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

参考資料・情報

農林水産省:
平成19年度 海外貿易制度等調査報告書(タイ編)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

ジェトロ:
2016年度 日本からの農林水産物・食品輸出に関する各国・地域の制度調査(タイ)(2017年2月)
タイにおける食品輸入規制及び手続等ガイドブック(2015年3月)PDFファイル(2,549KB)
世界各国の関税率(World Tariff)

調査時点:2017/2

記事番号: A-080913

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