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加工食品の現地輸入規則および留意点:インド向け輸出

インド向けに加工食品を輸出する際の現地輸入規則と留意点について教えてください。

インド政府は、「食品安全基準法(Food Safety and Standards Act, 2006)」および「食品安全基準施行規則(Food Safety and Standards Rules, 2011)」に基づいて、食品の生産、販売、輸出入を管理しています。
食品の加工、製造、輸出、輸入に携わる事業者は、食品安全基準管理局(Food Safety and Standards Authority of India: FSSAI)が定めた規則を遵守しなければなりません。

I. 輸入前の手続き、検査および輸入管理品目

  1. 輸出入業者番号(Importer-Exporter Code Number: IEC)
    加工食品の場合、輸出国側で特定の輸出証明書を発行する必要はありませんが、すべての輸入業者は、事前に商工省外国貿易部(Directorate General of Foreign Trade, Ministry of Commerce and Industry: DGFT)から輸出入業者番号(IEC)を取得しなければなりません。
  2. 安全性検査
    すべての輸入食品は輸入業者に引き渡される前に検査を受け、食品安全基準に合致していることが確認されなければ輸入できません。
    FSSに基づき、ムンバイ、ナバシャバ、ハルディア、コルカタおよびチェンナイなどの検査官が、輸入検査を実施しています。
    通常の食品検査では、港に配置されたFSSAIの検査官により品質と食品安全基準の確認が行われます。問題なければ、税関は積荷の5〜20%を抜き取り検査し、最後に全品のラベル検査が行われFSSAIの検査官により確認された後、貨物が引き渡されます。港にFSSAIの検査官が配置されていない場合は、税関がサンプルを抜き取り、近くの指定試験所に送付します。アルコール飲料の場合、保税倉庫でのラベルの小さな瑕疵の修正は暫定的に認められています。
  3. 輸入規制品目
    外国貿易(開発・規制)法[Foreign Trade (Development & Regulation) Act, 1992]により、輸入自由品目、輸入禁止品目、輸入制限品目および輸入業者指定品目が規定されています。
    加工食品の場合、粉ミルクやミルク製品などの輸入は制限されていますが、ほぼ全ての品目は、輸入自由品目に該当します。政治上の理由や臨時立法により輸入が禁止されている製品以外は、輸入は自由で、輸入許可証は不要です。
  4. 輸入通関に必要な書類
    インドでの輸入通関に必要な書類は、以下のようなものがあります。
    1. B/L(輸入者のIEC/Import Export Codeの表記が必要)
    2. インボイス
    3. パッキング・リスト
    4. 商品説明書、分析表
    5. 保険証券(保険価格表示があるもの)
    6. 輸入申告書(Importers/CHA's declaration)
    7. GATT申告書(GATT valuation declaration form)
    8. 輸入ライセンス(FSSAIの検査官に提示を求められる場合がある)

II. 食品安全基準施行規則(Food Safety and Standards Rules, 2011)

  1. 食品事業のライセンスおよび登録
    インド国内のすべての食品事業者は登録が必要です。また、輸入業者を含むすべての食品事業者はFSSAIが発行するライセンスを取得しなければなりません。
  2. 包装およびラベル表示
    食品のパッケージには、最低限、下記の事項を表示しなければなりません。
    表示に使用する言語は英語またはヒンズー語です。
    1. 商品名
    2. 原材料の名称(重量または容量の大きい順)
    3. 栄養成分表示
      摂取量100mgまたは100mlあるいは1食当たりの熱量(kcal)、たんぱく質、炭水化物(糖分の含有量を明記)、脂肪の含有量をgまたはmlで記載。他の栄養素についても記載できますが、記載する際の条件については文末の食品安全基準「包装およびラベル表示規則」の2.2.2: Labelling of Pre-packaged Foods第3項「Nutritional Information」をご参照ください。
    4. ベジタリアン用、非ベジタリアン用の識別マーク
      ベジタリアン用の食品については、主表示面に記載されている製品名のすぐ近くに緑色のシンボルマーク
      非ベジタリアン用の食品については、主表示面に記載されている製品名のすぐ近くに茶色のシンボルマーク
    5. 食品添加物の明細
    6. 製造業者の会社名と住所およびインドの輸入業者の会社名と住所
    7. 内容量(正味重量、正味容量、正味個数)
      正味数量のため、包装材・容器の重量は除外しなければなりません。
    8. 製造ロット、番号およびバッチ
    9. 製造または包装年月日
      賞味期限が3カ月以上の場合は年月、3カ月未満の場合は年月日を表示しなければなりません。
    10. 賞味期限、消費期限
      乳児用ミルク・食品については、賞味期限ではなく、消費期限を表示しなければなりません。
      ワイン、酒類およびアルコール度数が10%以上の飲料については消費賞味期限を表示する必要はありません。
    11. 原産国(輸入食品の場合)
    12. 使用方法
    13. 上限小売価格(Maximum Retail Price: MRP)

    2013年夏以降にインド向けに包装済食品を輸出した際、英語またはヒンズー語の表示を包装に直接印刷した食品でなければ輸入が許可されない事例が発生しました。これは、食品安全基準の「包装およびラベル表示規則」の2.2.1.General Requirements第4項「包装済食品のラベルは容器から分離不可能な状態で貼付しなければならない(仮訳)」を厳密に運用したものと考えられます。新たにインド向けに包装済食品を輸出される場合は、事前に輸入業者に対して包装の表示方法を確認されることを推奨します。

  3. 輸入食品の消費期限に関する留意事項
    インドへの輸入時点で、食品の消費期限が60%以上残っていなければならないとの規制があります(Notification No. 22 (RE-2001)/1997-2002)。詳細は商工省外国貿易部(Directorate General of Foreign Trade, Ministry of Commerce and Industry: DGFT)にご確認ください。
  4. 食品の規格および食品添加物
    乳製品、油脂、果実・野菜、穀類、食肉、水産物、スイーツ・菓子、甘味料(蜂蜜を含む)、塩・香辛料・調味料、飲料、非分類食品および放射線照射食品について、規格を定めています。また、食品添加物に関する規則を定めています。 文末の「食品規格および食品添加物規則」をご参照ください。
  5. 販売の禁止および制限
    販売が禁止あるいは制限される食品が定められています。文末の「販売の禁止および制限規則」をご参照ください。
  6. 汚染物質、有害物質、残留農薬
    汚染物質、有害物質、認可されている残留農薬の許容量の上限が定められています。文末の「汚染物質、有害物質、残留農薬規則」をご参照ください。
  7. 検査およびサンプル分析
    権限を与えられた検査官によるサンプルの採取量、サンプルの分析機関が定められています。

III. 輸入関税および内国諸税

  1. 輸入関税
    インドの関税は、基本関税、追加関税、特別追加関税などから成り立っています。
    1. 基本関税(Basic Custom Duty: BCD)
      基本関税額は基本関税率×評価額[CIF価格+荷揚げ費用(CIF価格の1%)]で計算されます。
    2. 追加関税(物品税との相殺関税)(Additional Duty: AD /Countervailing Duty: CVD)
      追加関税(物品税との相殺関税)は、インド国内での物品製造に課せられる物品税との整合性を図るために課せられ、大部分は12.5%です。
    3. 特別追加関税(Additional Duty of Customs: ADC /Special Additional Duty: SAD)
      特別追加関税は全ての輸入品に対して、評価額+基本関税額+追加関税額をベースに、一律4%を追加的に賦課しています。
    4. その他
      他に3%の教育目的税が課せられます。 文末のジェトロウェブサイト「 関税体系 」をご参照ください。
  2. 日本・インド包括的経済連携協定(CEPA)による特恵関税
    2011年8月1日に「日本・インド包括的経済連携協定(CEPA)」が発効しました。EPA特恵税率対象品目であれば、商工会議所の特定原産地証明書を入手することにより、インドでの輸入通関時に最恵国(MFN)税率よりも低いEPA税率が適用されます。例えば、醤油(HS:2103.10.00)の最恵国(MFN)税率は30%ですが、2014年のEPA税率は19.1%、以降も段階的に引き下げられ2021年には無税になる予定です。
  3. 内国諸税
    インドでは、物品税、サービス税、州VAT、中央売上税および入境税などが課税される複雑な税制度になっていますので注意が必要です。ジェトロウェブサイト「その他税制」をご確認ください。

IV. 原発事故に伴う規制

2011年3月11日に発生した福島第一原子力発電所事故により、インドへ輸出される全ての日本産食品に対してインドにてサンプル検査が実施されていましたが、平成28年2月26日から全て解除されています。

V. 留意点

  1. ラベリングを適切に行うこと。ラベリングは輸入者の責任であり、規制に適合したラベルを輸入品の通関以前に適切な方法で取り付けることが必要です。
  2. 移動の際、破損しないようにパッケージを強固にすること。
  3. インドでは関税に関する法制が頻繁に改正され、また、州ごとに税制が異なり、売上税や、州を越える物流に対して課税される税制があるなど複雑です。インドへの輸出に際しては現地税制に詳しい専門家に相談することも必要です。

関係機関

インド食品安全基準管理局(Food Safety and Standards Authority of India: FSSAI)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
商工省商務局外国貿易部(Directorate General Foreign Trade, Department of Commerce, Ministry of Commerce and Industry)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
食品加工産業省(Ministry of Food Processing Industries)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
保健家族福祉省(Ministry of Health and Family Welfare)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
消費者局(Department of Consumer Affairs)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
農業省農業協力局(Department of Agriculture and Copperation, Ministry of Agriculture)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
特許意匠商標長官室(Office of the Controller General of Patents, Designs & Trade Marks)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
物品税関税中央局(Central Board of Excise and Customs)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

関係法令

食品安全基準庁(FSSAI):
食品安全と基準法(Food Safety and Standards Act, 2006)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
食品安全と基準施行規則(Food Safety and Standards Rules, 2011)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
FSSAI公示通達ページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
登録およびライセンス規則外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
包装およびラベル表示規則外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
食品規格および食品添加物規則外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
食品規格および食品添加物規則(別添リスト)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(200KB)
販売の禁止および制限規則PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(1.59MB)
汚染物質、有害物質、残留農薬規則PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(1.7MB)
法定度量衡(包装済み商品)規則2011(Legal Metrology (packaged commodities) rules, 2011)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(36.3MB)

商工省商務局外国貿易部:
商工省通達(賞味期限について:Nofitifation No.22 (RE-2001)/1997-2002)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

参考情報・資料

農水省:
東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う各国・地域の輸入規制強化への対応外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

商工省商務局外国貿易部(DGFT):
輸出入業者登録制度(Importer-Exporter Code Number)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

日本商工会議所:
国別情報 日インド協定外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

ジェトロ:
国・地域別情報(インド)
関税体系
輸入管理その他
インド日本食品消費動向調査(2013年2月)
日本・インド包括的経済連携協定
その他税制
世界各国の関税率

調査時点:2016年11月
最終更新:2017年8月

記事番号: A-080911

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